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先発全員安打に加え、途中出場も含めた10人全員が打点を挙げる

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミネソタ・ツインズ Jun 12, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月12日、ミネソタ・ツインズは、17対9でコロラド・ロッキーズを下した。クアーズ・フィールドではなく、ターゲット・フィールドで行われた試合だ。

 ツインズのスターティング・ラインナップに並んだ野手9人は、いずれも安打を記録した。先発投手のパブロ・ロペスが打席に立たないことは最初から確定していたので、先発全員安打と言っても差し支えないだろう。バイロン・バクストンが1安打、あとの8人は2安打以上だ。5安打のカルロス・コレイアは、自身の1試合最多を更新した。

 また、この9人は、4打点のカルロス・サンタナをはじめ、全員が打点を挙げた。さらに、8回裏に代打として出場したマックス・ケプラーは、その打席で三振を喫したものの、同じイニングに回ってきた2打席目に、犠牲フライで1打点――チームの17得点目――を記録した。出場野手の全員安打とはならなかったが、全員打点だ。

 MLB.comのドヨン・パクによると、ツインズの10人が同じ試合で打点を記録したのは、1991年9月1日以来だという。ハイ・ヒート・スタッツは、ベースボール・リファレンスのデータを用いて、10人以上が打点を挙げたのはツインズ史上4度目、ワシントン・セネタース時代も含めると6度目、と謳っている。セネタース時代は、ナショナルズが正式名称、セネタースは通称だった時期もある。

 過去5度のうち、1925年7月18日の試合は、11人が打点を挙げている。野手10人と先発投手だ。当時、DH制はなかった。ただ、全員打点ではない。代走として出場し、そこから一塁を守ったジョー・ハリスは、1打席に立ち、四球を選んだ。

 なお、ツインズ以外を含めると、野手10人の全員打点は、見落としがなければ、昨年6月30日のタンパベイ・レイズ以来だ。この試合で安打を記録したのは、10人中8人だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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