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ア・リーグの「隠れ首位打者」は打率.380。今月中にもトップに躍り出る!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
スティーブン・クワン(クリーブランド・ガーディアンズ)Jun 12, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ア・リーグの打率トップ3には、打率.330のボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)、打率.320のホアン・ソト(ニューヨーク・ヤンキース)、打率.302のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)が並んでいる。

 ただ、現時点の規定打席――チームの試合数×3.1打席――には達していないものの、スティーブン・クワン(クリーブランド・ガーディアンズ)は、打率.380を記録している。

 ガーディアンズは、6月12日に66試合目を終えた(13日の試合はなし)。クワンは、そのうちの40試合に出場し、183打席に立っている。現時点の「不足」は25打席未満だ。

 ここから欠場せず、これまでと同じく1試合平均4.575打席を記録すると、クワンは、ガーディアンズが81試合目を終えた時点で、打率ランキングの対象となる。雨などによる順延がなければ、ガーディアンズの81試合目は6月29日だ。

 クワンは、先月初旬に左の太腿裏を痛め、約3週間、故障者リストに入っていた。離脱までは、ガーディアンズの33試合中32試合に出場し、打率.353(133打数47安打)。復帰後は、10試合中8試合の出場で、打率.500(30打数15安打)を記録している。

 今月中とはいかないかもしれないが、オールスター・ブレイクを迎えるまでには、打率ランキングに登場しそうだ。他の選手にかなりの差をつけ、トップに躍り出てもおかしくない。

 今シーズン、クワンは、メジャーリーグ3年目。2022年の打率.298と2023年の打率.268は、それぞれ、ア・リーグ9位と18位に位置した。レフトを守り、両シーズンともゴールドグラブを受賞している。

 また、2シーズンとも、三振率はリーグ・ベスト。9.4%と10.4%を記録した。この数値は、四球率とほとんど変わらない。こちらは、9.7%と9.7%だ。今シーズンは、三振率7.7%と四球率9.3%、14三振と17四球。通算の三振と四球は、どちらも149だ。フリースウィンガーでも早打ちでもなく、空振りが極端に少ない。

 なお、まだ気が早いものの、クワンが首位打者を獲得すれば、ガーディアンズでは、インディアンズ時代の1954年に打率.341を記録したボビー・アビーラ以来となる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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