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「強打の捕手」を手放したメッツが「3年前の本塁打王」と契約。2人の共通点はニューヨークで活躍

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルーク・ボイト Apr 19, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月11日、ニューヨーク・メッツは、ルーク・ボイトとマイナーリーグ契約を交わした。

 今シーズン、ボイトは、ミルウォーキー・ブルワーズで22試合に出場し、ホームランはなく、出塁率は.284。今月2日に解雇された。

 ボイトは、パワーのある一塁手だ。シーズン本塁打は、2020年と2022年の22本が最多ながら、3年前は短縮シーズンだった。この年、20本以上のホームランを打った選手は、ボイトしかいなかった。

 メッツでは、一塁手のピート・アロンゾが、6月7日の試合で左手首に死球を受け、離脱している。ボイトをすぐに昇格させるかどうかはわからないが、メッツが手に入れたのはそれが理由だろう。ちなみに、今シーズン、アロンゾは、22本のホームランを打っている。この本数は、現時点でも両リーグで最も多い。

 1ヵ月前にも、メッツは、スラッガーとマイナーリーグ契約を交わしている。5月9日に、捕手のゲリー・サンチェスを迎え入れた。

 隣の芝生は……というわけではないだろうが、サンチェスもボイトも、ニューヨークのチームでパワーを発揮してきた。サンチェスのシーズン30本塁打以上は、どちらもニューヨーク・ヤンキース時代だ。3年前、ボイトは、ヤンキースの選手として本塁打王を獲得した。

 なお、サンチェスは、メッツでは3試合しか出場しておらず、ホームランは打っていない。先月25日にDFAとされ、ウェーバー公示中に、獲得の名乗りを上げたサンディエゴ・パドレスへ移籍した。

 もしかすると、メッツがサンチェスに見切りをつけたのは、早すぎたのかもしれない。パドレスでは、12試合で5本塁打。13試合目の6月13日――これを書いている時点で試合は続行中――も、1回裏にホームランを打っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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