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39歳のリリーフ投手が2試合続けてベッツ、大谷、フリーマンを3者連続三振に仕留める

宇根夏樹ベースボール・ライター
デビッド・ロバートソン(テキサス・レンジャーズ)Jun 12, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月11日まで、ロサンゼルス・ドジャースの1番~3番に並ぶ3人、ムーキー・ベッツ大谷翔平フレディ・フリーマンが3者連続三振を喫したことは、イニングをまたいだケースを含めても、一度もなかった。

 けれども、6月12日と13日の試合は、どちらも、8回裏に3者連続三振を喫した。彼らから立て続けに三振を奪ったのは、12日がデビッド・ロバートソン(テキサス・レンジャーズ)、13日もロバートソンだ。

 この両試合は、ロバートソンが8回裏から登板したことも、その時点でレンジャーズが3対1とリードしていたことも、共通する。ただ、ドジャースの打順の巡り合わせには、違いがあった。

 12日は、ベッツがイニングの先頭打者だった。ロバートソンは、ベッツ、大谷、フリーマンの3人に投げ、3奪三振でイニングを終わらせた。

 一方、13日の8回裏は、8番打者のキャバン・ビジオから始まった。ロバートソンは、ビジオにぶつけ、次のオースティン・バーンズにヒットを打たれ、無死一、三塁の場面を招いた。前夜の奪三振ショーを再現するために2人を出塁させたわけではないが、そこから、ベッツ、大谷、フリーマンを三振に仕留めた。

 スタットキャストによると、それぞれの3ストライク目は、12日が、84.6マイルのナックル・カーブ(空振り)、85.8マイルのナックル・カーブ(空振り)、93.3マイルのカッター(空振り)。13日は、92.9マイルのカッター(ファウル・チップ)、87.5マイルのナックル・カーブ(空振り)、88.6マイルのナックル・カーブ(空振り)だ。この2球種に、シンカーも織り交ぜた。

 ロバートソンは、今シーズンがメジャーリーグ16年目のベテランだ。4月上旬に、39歳の誕生日を迎えた。

 2010~18年に60登板以上と60イニング以上を9シーズン続けた後、2019~21年は、それぞれ、7登板、全休、12登板に終わった。しかし、そのまま、フェイド・アウトはしなかった。2022年は、58登板の63.2イニングで防御率2.40、2023年は、62登板の65.1イニングで防御率3.03。今シーズンは、28登板の31.0イニングで防御率3.19を記録している。

 ベッツ、大谷、フリーマンから奪った計6三振により、今シーズンの奪三振率は、その前の12.41から13.35まで上昇した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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