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エンジェルスの貯金ゼロ&借金ゼロは今シーズン11度目。1勝1敗、5勝5敗…22勝22敗、30勝30敗

宇根夏樹ベースボール・ライター
J.マイヤーズ(左)とB.ドゥルーリー Jun 3, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月に入り、ロサンゼルス・エンジェルスは、ヒューストン・アストロズと3試合を行い、いずれも敗れている。その結果、5月を終えた時点の貯金3は、すべて消滅した。

 ここまでの60試合は、30勝30敗だ。今シーズン、貯金も借金もゼロの勝率.500ちょうどは、11度を数える。1勝1敗、5勝5敗、7勝7敗、8勝8敗、9勝9敗、10勝10敗、11勝11敗、12勝12敗、14勝14敗、22勝22敗、そして、30勝30敗だ。

 貯金ゼロ&借金ゼロが11度は、ボストン・レッドソックスと並び、ア・リーグで最も多い。両チームに次ぐのは、シアトル・マリナーズの9度。あとの12チームは、6度以下だ。

 6月3日を終え、レッドソックスは30勝28敗、マリナーズは29勝29敗を記録している。

 この3チームのうち、エンジェルスが貯金ゼロ&借金ゼロから最も遠ざかったのは、2度の貯金5(19勝14敗、28勝23敗)と5度の借金1(0勝1敗、7勝8敗、9勝10敗、10勝11敗、11勝12敗)。レッドソックスは貯金7(21勝14敗)と借金3(5勝8敗)、マリナーズは貯金3(28勝25敗)と借金5(11勝16敗)だ。

 振れ幅は、エンジェルスが最も小さい。エンジェルスは、プラス(貯金)が5でマイナス(借金)は1なので、振れ幅は6。レッドソックスの振れ幅は10(+7と-3)、マリナーズは8(+3と-5)となる。

 また、貯金ゼロ&借金ゼロに、貯金1と借金1を加えた回数は、エンジェルスが31度、レッドソックスが26度、マリナーズは29度だ。こちらも、エンジェルスがあとの2チームを上回る(マリナーズは、ここからの2試合が1勝1敗の場合、エンジェルスと同じく60試合で31度となる)。

 振れ幅が少なく、±1以内が多いエンジェルスは、ア・リーグで貯金ゼロ&借金ゼロ付近を最もさまよっているチーム、という見方ができる。グッと落ち込んではいない一方で、飛翔して勝率.500ちょうどという「重力」から脱することもできていないということだ。ちなみに、レッドソックスは、貯金を7として「重力」からの脱出に成功しかけたものの……、といったところだろうか。

 いずれにせよ、このままでは、ポストシーズンにまずたどり着けない。

 エンジェルスとマリナーズは、西地区1位のテキサス・レンジャーズと8.5ゲーム差の3位タイ。レッドソックスは、東地区1位のタンパベイ・レイズと10ゲーム差の5位だ。また、ワイルドカード・レースの3位――ポストシーズン進出は3位まで――に位置するニューヨーク・ヤンキースとの差は、レッドソックスが4ゲーム、エンジェルスとマリナーズは5ゲーム。ヤンキースとレッドソックスの間には、トロント・ブルージェイズがいる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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