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ディマジオの通算本塁打を上回ったトラウトは、400本塁打までに誰を追い抜いていくのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・トラウト(中央)May 24, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月24日、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)は、シーズン12本目のホームランを打ち、通算本塁打を362本とした。これにより、前日に並んだ、ジョー・ディマジオの通算本塁打を上回った。

 ディマジオは、兵役を挟み、メジャーリーグで13シーズンにわたってプレーした。トラウトは、今シーズンがメジャーリーグ13年目だ。2人は、センターのポジションとMVP3度が共通する。361本目のホームランを打ったのは、ディマジオが1735試合目と6819打数目、トラウトは1453試合目と5272打数目だった。

 あと38本のホームランを積み上げると、トラウトの通算本塁打は400本となる。それまでに、トラウトが追い抜いていく選手は、26人あるいは27人だ。彼らのうち、382本塁打のジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)は現役選手なので、トラウトより早く400本目のホームランを打つ可能性がある。

筆者作成
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 今シーズンの開幕を迎えた時点で、トラウトの通算本塁打は350本だった。400本塁打に到達するのは、おそらく、来シーズンだろう。時期としては、今からちょうど1年後くらいかもしれない。一方、故障が多く、現在も故障者リストに入っているスタントンの到達は、いつになるのか読みにくいが、残り本数とパワーからすると、今シーズン中でもおかしくない。復帰は、来月初旬になりそうだ。

 トラウトの場合、今シーズンのホームランが、前年と同じ40本だとすると、シーズンが終わるまでに上回るのは、366本塁打のランス・バークマンから389本塁打のジョニー・ベンチまでの20~21人だ。そして、390本塁打のグレイグ・ネトルズと並ぶ。また、1シーズンの自己最多、2019年の45本塁打と同じ本数なら、バークマンから393本塁打のジム・エドモンズまで、22~23人を抜き去る。

 エドモンズは、1993~99年にエンジェルスでプレーした。メジャーリーグ最初の7シーズンだ。エンジェルス時代のホームランは121本ながら、トラウトと同じくセンターを守り、トラウトが手にしていないゴールドグラブを2度受賞している。その後のセントルイス・カーディナルス時代と合わせると、ゴールドグラブは計8度。わざと派手な動きをしているという批判もあったが、その守備は華やかだった。

 なお、363本塁打以上400本塁打未満の27人のなかには、エドモンズ以外にも、エンジェルスでプレーした選手がいる。399本塁打のアンドレス・ガララーガがそうだ。ラスト・イヤーとなった2004年のシーズン終盤に、エンジェルスで7試合に出場し、ホームランを1本打った。この一打は、キャリア最後のホームランと安打、それぞれ、399本目と2333本目となった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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