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ヤンキースのエースが歴代3番目の速さで2000奪三振に到達。それを凌ぎそうな現役投手は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)May 23, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月23日、ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)は、4対4の6回表、無死一、二塁の場面でマウンドを降りた。この日は、2三振しか奪えず、5失点(自責点5)を記録した。

 好投はできなかったものの、試合は、ヤンキースがサヨナラ勝ちを収めた。また、コールは、2回表の1死から続けて奪った2三振により、通算の奪三振をちょうど2000とした。278登板で2000奪三振は、262登板のランディ・ジョンソンと277登板のクレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)に次ぎ、1714.2イニングで2000奪三振は、1626.0イニングのクリス・セール(ボストン・レッドソックス)と1711.1イニングのペドロ・マルティネスに次ぐ。どちらも、歴代3番目の速さ(少なさ)ということだ。

 ただ、コールが歴代3位から4位となる日は、そう遠くないかもしれない。コールの次に奪三振の多い現役投手は、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)だ。こちらは、251登板と1542.0イニングで1845奪三振を記録している。

 ダルビッシュは、ここからの26登板が平均6.0奪三振なら、コールより1試合少ない277登板で2000奪三振に到達する。また、あと172.1イニングで155奪三振――振り逃げがなく、奪三振がすべてアウトの場合は奪三振率8.09――だと、こちらもコールを追い抜く。1714.1イニングで2000奪三振だ。

 登板数とイニングのどちらにおいても、歴代トップ3にランクインする可能性は低くない。これまでの通算は、1登板平均7.4奪三振と奪三振率10.77。今シーズンは、1登板平均6.3奪三振と奪三振率9.50だ。今後も、現時点の通算と同じペースを維持すれば、2000奪三振到達の速さは、登板もイニングも、歴代2位となる。

 ちなみに、今から2年前、ダルビッシュは、どちらも最速の197登板と1216.2イニングで1500奪三振に到達した。それについては、こちらで書いた。

「ダルビッシュが達成した「史上最速の1500奪三振」は、あのデグロームも塗り替えられない!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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