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AAAから昇格した翌日にDFAとされる。昇格当日の出場はなし

宇根夏樹ベースボール・ライター
セイザー・バルデス(ロサンゼルス・エンジェルス)Mar 27, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月9日、ロサンゼルス・エンジェルスは、チャド・ウォラックを故障者リストに入れ、セイザー・バルデスをDFAとした。そして、クリス・オーキージミー・ハーゲットをAAAから昇格させた。

 これらの動きは、それぞれ、捕手と捕手、投手と投手の入れ替えだ。前者については、ウォラックの離脱が確定する前に、エンジェルスは、オーキーを呼び寄せていた。

 一方、バルデスは、前日の5月8日にAAAから昇格した。この日の試合には、登板していない。最初から、バルデスではなくハーゲットを昇格させてもよかったように見える。

 エンジェルスは、長いイニングを投げられるリリーフ投手として、バルデスを昇格させたのだろう。それについては、「この捕手のエンジェルス入団が現実味を帯びてきた!? 捕手2人の一方が首に張りを訴え…」でも書いた。

 ただ、5月8日の試合は、バルデスが登板する展開にはならなかった。7回表の途中に降板したパトリック・サンドバルに続き、マット・ムーアが1.2イニングをつなぎ、9回表はカルロス・エステベスが締めくくった。5月9日は、大谷翔平が先発マウンドに上がる。こちらも、ロング・リリーフが必要になる可能性は低い。

 バルデスの昇格は、登板の有無にかかわらず、5月8日だけの「期間限定」だったことが窺える。

 また、エンジェルスは、ウェーバー公示中にバルデスを獲得する球団は現れず、その後、バルデスはFAになることを選択せずに降格を受け入れる、と踏んでいるのかもしれない。あるいは、退団しても惜しくはない、と考えている可能性もある。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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