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開幕30試合でサヨナラ安打3本はボンズの父とNPBでもプレーした選手に続き、ここ100年に3人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
アレックス・バーデューゴ(ボストン・レッドソックス)May 1, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月1日、アレックス・バーデューゴ(ボストン・レッドソックス)は、5対5で迎えた9回裏にホームランを打った。

 レッドソックスのサヨナラ勝ちは、今シーズン4試合目。その前の3試合のサヨナラ打は、4月1日がアダム・デュボールの2ラン本塁打(9回裏/7対8→9対8)、18日がバーデューゴのシングル・ヒット(10回裏/4対4→5対4)、29日もバーデューゴのシングル・ヒット(10回裏/7対7→8対7)だ。

 ESPNスタッツ&インフォによると、打点が公式記録となった1920年以降、チームがシーズン30試合を終えた時点でサヨナラ安打が3本以上の選手は、ボビー・ボンズ(1973年/サンフランシスコ・ジャイアンツ)とアンドルー・ジョーンズ(1999年/アトランタ・ブレーブス)に続き、バーデューゴが3人目だという。5月1日は、レッドソックスのシーズン30試合目だった。

 1人目のボンズは、バリー・ボンズの父だ。1973年の14試合目にサヨナラ本塁打、25試合目にサヨナラ二塁打(満塁の場面で走者一掃)、30試合目にサヨナラ本塁打を打った。このシーズンのサヨナラ安打は5本。あとの2本は、115試合目のシングル・ヒットと136試合目のグランドスラムだ。

 2人目のアンドルーは、東北楽天ゴールデンイーグルス(2013~14年)でもプレーした。1999年のサヨナラ安打は、シングル・ヒットが4本だ。5試合目、7試合目、20試合目、59試合目。この年は、ワールドシリーズ進出を決めるサヨナラ四球も記録している。3勝2敗で迎えたリーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第6戦、同点の11回裏に、1死三塁からチッパー・ジョーンズブライアン・ジョーダンが敬遠四球で歩かされ、アンドルーが打席に入った。

 なお、サヨナラ安打のシーズン最多が何本なのかは不明だが、1974年以降では、2009年にロサンゼルス・ドジャースのアンドレ・イーシアーが記録した6本が最も多いのではないかと思われる。

 昨シーズンの最多は、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)とホーヘイ・アルファロ(当時サンディエゴ・パドレス/現レッドソックス)の4本だ。アルファロの出場は82試合。ホームの46試合とアウェーの36試合だ。アウェーでサヨナラ安打を打つことはできない。アルファロは、4本のサヨナラ安打の他に、サヨナラ四球も1度記録した。今シーズンは、AAAでプレーしていて、メジャーリーグには昇格していない。AAAでも、サヨナラの打点は挙げていない。

 今シーズンのレッドソックスで、バーデューゴ以外の選手が打ったサヨナラ安打については、こちらで書いた。

「サイクル安打にリーチをかけた打者が、さらに価値ある一打。ドラマを生んだのは吉田正尚の…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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