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2連勝すらなかったチームの7連勝に続き、勝率.300未満のチームが3試合続けて完封勝利を挙げる

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンソニー・マルドナード(左)とニック・フォーテズ May 17, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月8日の時点で、コロラド・ロッキーズの白星は8つしかなく、黒星は28を数えた。勝率は.222。長さを問わず、連勝は一度もなかった。白星を挙げても、その次の試合は、すべて黒星を喫していた。

 だが、5月9日~15日のロッキーズは、まるで別のチームのよう。サンフランシスコ・ジャイアンツに勝ってスウィープを免れたのに続き、テキサス・レンジャーズとサンディエゴ・パドレスを立て続けにスウィープし、7連勝を記録した。

 オプタ・スタッツによると、開幕から30試合以上を終え、連勝がなかったチームが、そこから7連勝以上――シーズン最初の連勝が7以上――は史上2度目。1889年のインディアナポリス・フージャーズ以来だという。

 20世紀は0チーム、21世紀はロッキーズが初、ということだ。フージャーズは、連勝なしの12勝28敗(勝率.300)から、7試合続けて白星を挙げた。

 一方、マイアミ・マーリンズは、4月30日~5月2日に3試合続けて勝ったものの――31試合目から33試合目まで。うち2試合はサヨナラ勝ち――こちらも負けが込んでいて、5月13日に43試合目を終えた時点では、11勝32敗(勝率.256)だった。

 5月14日~17日に、マーリンズは、3試合続けて完封勝利を挙げた。14日と15日は、1対0と2対0でデトロイト・タイガースに勝ち、17日は、8対0でニューヨーク・メッツを下した。

 これについて、オプタ・スタッツは、開幕から25試合以上を終え、勝率.300未満のチームが、そこから3試合連続完封は史上初、と報じている。

 それまでの43試合のなかに、完封負けは3試合あるが、完封勝ちはなかった。

 なお、ロッキーズの連勝は、5月17日に止まり、18日も黒星を喫した。スコアは、5対10と4対14だ。これまで、2試合連続の二桁失点は皆無だった。どちらも、試合が行われたのは、クアーズ・フィールドではない。マーリンズは、5月18日の1回表に2点を取られ、連続完封は途切れたものの、5対9で迎えた9回裏に追いつき、10回裏にサヨナラ勝ち。連勝を、今シーズン最長の4に伸ばした。

 現在、ロッキーズは15勝30敗(勝率.333)、マーリンズは15勝32敗(勝率.319)。それぞれ、ナ・リーグ西地区とナ・リーグ東地区の最下位だ。

 ちなみに、ロッキーズと同じ、ナ・リーグ西地区のロサンゼルス・ドジャースは、今シーズン、5月1日~8日の7連勝が最も長い。同地区のあと3チーム、パドレス、ジャイアンツ、アリゾナ・ダイヤモンドバックスは、5連勝以上がない。7連勝を記録している2チームが、首位と最下位に位置している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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