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ハーパーはトミー・ジョン手術から半年経たずに復帰する!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブライス・ハーパー/後ろはブランドン・マーシュ Nov 1, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、トミー・ジョン手術を受けてから、まだ半年経っていない。右肘にメスを入れたのは、昨年の11月23日だ。けれども、ジ・アスレティックのマット・ゲルブによると、5月1日の朝に医師と会い、そこでOKが出れば、翌日の試合にDHとして出場するという。

 本来のポジションはライトながら、トミー・ジョン手術の前も、ハーパーはDHだった。6月下旬に死球で左手の親指を骨折し、2ヵ月後に復帰した当時から、右肘の状態は思わしくなかった。残りのレギュラーシーズンだけでなく、ワールドシリーズが終わるまで、ハーパーは守備につかなかった。

 DH→トミー・ジョン手術→DHの例としては、投手でもあるものの、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)がいる。大谷の場合、トミー・ジョン手術は2018年の10月1日、打者として再びメジャーリーグの試合に出場したのは翌年の5月7日だ。手術から復帰までは、7ヵ月を要した。ハーパーのリハビリ期間は、ここから遅延がなければ、大谷より1ヵ月以上も短くなる。

 いずれにせよ、ハーパーを10日間の故障者リストに入れ、60日間の故障リストには入れなかったのは、正しい判断だったようだ。

 なお、ハーパーが守備につくのは、まだ先のことになる。再び外野を守るのは、来シーズンかもしれない。ただ、先月中旬から、ハーパーは一塁の守備練習を始めている。夏頃からは、一塁を守るのではないだろうか。

 フィリーズでは、一塁手のリース・ホスキンスが、開幕前にシーズン全休となった。また、DHには、カイル・シュワーバーがいる。ハーパーがDHとして出場すると、外野両翼には、どちらも守備に難のあるシュワーバーとニック・カステヤノスが揃う。裏を返すと、ハーパーが一塁手として出場するまでは――DHとして出場している間は――センターを守るブランドン・マーシュの負担が大きくなる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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