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金銭と交換にジャイアンツはA'sから外野手を獲得し、金銭と交換にA'sはジャイアンツから投手を獲得

宇根夏樹ベースボール・ライター
カル・スティーブンソン Aug 10, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月14日、オークランド・アスレティックスは、外野手のカル・スティーブンソンをDFAとした。その5日後、サンフランシスコ・ジャイアンツは、金銭と交換にアスレティックスからスティーブンソンを獲得した。

 スティーブンソンを40人ロースターに入れるため、ジャイアンツは、左投手のサム・ロングをDFAとした。その4日後、アスレティックスは、金銭と交換にジャイアンツからロングを獲得した。

 どちらの選手も金銭との交換だが、1対1のトレードのような形となった。

 サンフランシスコ湾を挟み、両チームは、本拠を構えている。アスレティックスがジャイアンツをスウィープした1989年のワールドシリーズは、「ベイ・ブリッジ・シリーズ」とも呼ばれた。

 両チームが選手と選手を交換したのは、1990年12月に、アーニー・ライルズがジャイアンツからアスレティックスへ移り、ダレン・ルイスペドロ・ペーニャがアスレティックスからジャイアンツへ移籍した――ペーニャはPTBNL(後日決定選手)――トレードが最後だ。そこから、スティーブンソンが移籍するまでの間に、3人がジャイアンツからアスレティックスへ移っているが、いずれも金銭との交換だ。

 アスレティックスがラスベガス――あるいは他の都市――へ移転しても、アスレティックスとジャイアンツによるトレードが増えるとは限らない。ただ、ベイ・ブリッジ・シリーズは消滅する。

 なお、スティーブンソンは26歳。今シーズンは、移籍前も移籍後もAAAでプレーしているが、昨年8月にメジャーデビューし、23試合に出場した。パワーはないものの、マイナーリーグ通算の四球は、三振よりも多い。

 ロングは27歳。こちらも、今シーズンの開幕をAAAで迎えた。4シーム、カーブ、チェンジアップを投げ、2021年と2022年に、メジャーリーグで計40試合に登板している。

 出身地は、スティーブンソンがカリフォルニア州フリーモント、ロングはカリフォルニア州フェア・オークスだ。偶然だろうが、どちらも、オークランドとサンフランシスコからそう遠くない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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