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外野手でもDHでもなく、ハーパーは一塁手として復帰する!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)Nov 1, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、まだ、メジャーリーグ12年目のシーズンをスタートさせていない。昨年の11月下旬にトミー・ジョン手術を受け、故障者リストに入って開幕を迎えた。

 リハビリは順調なようだ。NBCスポーツ・フィラデルフィアは、4月18日の試合前に行った守備練習と打撃練習の映像を、ツイッターにアップしている。もしかすると、マイナーリーグのリハビリ出場を経ることなく、来月中に復帰するかもしれない。

 この守備練習でハーパーが守っているのは、これまで定位置としてきたライトではなく一塁だ。手術明けの送球に不安があり、まずは打者として復帰するのであれば、DHという手段もある。というよりも、DHのほうが普通だ。

 加えて、ハーパーが過去に一塁の守備についたのは、2試合の計0.1イニングに過ぎない。1試合目の2018年7月28日は、ハーパーがライトから一塁へ移った直後にサヨナラ負けを喫したので、この試合における一塁の守備イニングは0.0だ。2試合目の2021年5月8日も、守備機会はなかった。

 一塁の守備練習は、チーム事情が関係している。一塁手のリース・ホスキンスは、開幕直前に左膝の前十字靭帯を損傷した。続いて、開幕から一塁を守っていたダリック・ホールも、6試合目に右手親指の靭帯を損傷し、故障者リストに入った。ホスキンスはシーズン全休、ホールは6月中旬まで離脱となる見込みだ。その後の一塁は、アレック・ボームコーディ・クレメンスが守っている。本来なら、ボームはレギュラーの三塁手だ。

 ジ・アスレティックのマット・ゲルブやMLB.comのジョン・フェイらによると、一塁を守る案は、ハーパー自身がロブ・トムソン監督に申し出たという。

 なお、ツイートの映像でハーパーに対して投げているのは、ローテーションの一員として予定されていたレンジャー・スアレスだ。こちらは3月上旬に左肘を痛めたが、靭帯の損傷はなく、うまくいけば、今月中に復帰できるだろう。昨シーズン、スアレスは155.1イニングを投げ、防御率3.65を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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