11月にトミー・ジョン手術のハーパーが、60日ではなく10日の故障者リストで開幕を迎える理由
昨年の11月下旬に、ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、トミー・ジョン手術を受けた。
一般的に、野手の場合、復帰までの期間は投手よりも短い。例えば、2018年10月1日にトミー・ジョン手術の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、打者としてのメジャーリーグ復帰が2019年5月7日、投手としての復帰は2020年7月26日だった。1年以上の差は、新型コロナウイルスのパンデミックにより、2020年の開幕が遅れたのが理由だが、2019年の登板はなかった。
とはいえ、ハーパーの復帰は、7月以降になりそうだ。早まったとしても、6月だろう。今年の開幕は3月30日なので、2ヵ月以上の欠場となる。
だが、ハーパーは、60日間の故障者リストではなく、10日間の故障者リストに入って開幕を迎える。MLB.comのトッド・ゾレッキーによると、編成責任者のデーブ・ドンブロウスキがそう語ったという。
60日間の故障者リストに入っている選手は、試合に出場できるアクティブ・ロースターの26人だけでなく、その前提となる40人ロースターにもカウントされない。それに対し、10日間の故障者リストに入っている選手は、こちらもアクティブ・ロースターにはカウントされないが、40人ロースターには含まれる。
フィリーズは、可能性が皆無に近くても、ハーパーが5月28日までに復帰するチャンスをゼロにはしたくなかった、ということだ。60日間の故障者リストに入ってしまえば、最短の復帰は5月29日となる。3月30日から5月28日までの60日間は、出場できない。
ハーパーが復帰する前に、故障者が出て、40人ロースターに入っていない選手をアクティブ・ロースターに加える必要が生じた場合は、ハーパーを10日間の故障者リストから60日間の故障者リストへ移し――40人ロースターにはカウントされない選手とし――ハーパーの代わりにその選手を40人ロースターに入れた後、昇格させればいい(アクティブ・ロースターには、故障者と入れ替わりに入る)。10日間の故障者リストに入っていた日数も、60日間にカウントされるので、フィリーズにリスクはない。