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破棄した球団オプションよりも高額で選手を呼び戻す。球団の気持ちが変わった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジミー・ネルソン(ロサンゼルス・ドジャース)Apr 7, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・ドジャースは、ジミー・ネルソンを呼び戻した。ジ・アスレティックのファビアン・アーダヤによると、契約は1年120万ドル。出来高をすべてクリアすれば、総額は400万ドルになるという。

 昨年11月、ドジャースは、ネルソンの契約についていた球団オプションを破棄した。このオプションは1年110万ドルだった。その差は10万ドルとはいえ、再契約の金額は、球団オプションを上回る。

 オプション破棄→再契約は、これまでにも例がある。ただ、多くの場合、再契約の金額はオプションよりも安い。球団からすると、いてほしい選手ではあるものの、オプションの金額では高すぎるということだ。

 2年前、ネルソンは28登板で29.0イニングを投げ、奪三振率13.66と与四球率4.03、防御率1.86を記録した。だが、その年の夏にトミー・ジョン手術を受け、昨年はマウンドに上がらなかった。

 10万ドルを上乗せし、ドジャースが再契約を交わしたのは、11月の時点と比べ、リハビリに明らかな進展があり、復帰の目処が立ったということなのだろうか。あるいは、他に目をつけていた投手を手に入れることができなかったため、方向を転じ、ネルソンにプラスαの金額を提示したのかもしれない。

 いずれにせよ、4シームにスピンの効いたカーブとスライダーを交える投球が復活すれば、ドジャースにとっては安い買い物となる。

 なお、ドジャースとネルソンの1年契約は、これが4年連続となる。2020年が125万ドル、2021年がマイナーリーグ契約、2022年が70万ドル。そして、2023年は120万ドルだ。2020年は腰を痛めて全休し、200万ドルの球団オプションを破棄された後――解約金は50万ドル――マイナーリーグ契約でドジャースへ戻った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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