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3年前の二冠王は開幕早々に解雇!? ここまでは不振と家庭内暴力と飲酒運転。今年は4年契約の3年目

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーセル・オズーナ(アトランタ・ブレーブス)Sep 18, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3年前、マーセル・オズーナ(アトランタ・ブレーブス)は、チームの60試合すべてに先発出場し、リーグ・トップの18本塁打と56打点に加え、いずれも3位の打率.338、出塁率.431、長打率.636、OPS1.067を記録した。

 短縮シーズンだけのスラッガーではない。2017年は37本のホームランを打ち、打率.312、出塁率.376、長打率.548、OPS.924を記録している。二冠王となったオフ、FA市場に出たオズーナは、ブレーブスと4年6500万ドルの再契約を交わした。今年はその3年目。年齢は32歳だ。

 ただ、2021年の出場は48試合にとどまった。5月下旬に滑り込んだ際、左手の中指と薬指を骨折し、その数日後には、妻に対する暴力事件を起こした。2022年は124試合に出場し、23本のホームランを打ったものの、出塁率.274はリーグで2番目に低かった。8月には、飲酒運転で逮捕された。

 今月13日、アレックス・アンソポロスGMは、アトランタのスポーツ・ラジオ局、92.9ザ・ゲームの番組に電話出演し、オズーナの起用について「実力主義」と表現した。

 DHの筆頭候補ではあるものの、その座は安泰ではないということだろう。

 代わりの候補はいる。今オフ、ブレーブスは、オークランド・アスレティックスからショーン・マーフィーを獲得した。マーフィーは、トラビス・ダーノーとスタメンマスクを分け合う予定だ。一方が捕手、もう一方はDHとして同時出場も考えられる。2人とも、昨年は18本のホームランを打った。出塁率は.332と.319。ダーノーの出塁率はやや低めながら、オズーナよりは高い。

 また、オズーナは外野を守ることもできるが、ブレーブスの外野に空きはない。ライトとセンターは、ロナルド・アクーニャJr.マイケル・ハリス2世で決まりだ。レフトには、エディ・ロザリオがいて、サム・ヒリヤードジョーダン・ループローも控える。

 開幕からオズーナの調子が上がらなければ、夏を迎える前に解雇もありそうだ。

 ちなみに、オズーナの契約は、あと2年3700万ドルが残っている。2023年と2024年の各年俸1800万ドルに、2025年の球団オプション(年俸1600万ドル)を破棄する場合の解約金100万ドルだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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