Yahoo!ニュース

WBC連覇に綻び!? 前年に防御率2.44の先発投手が抜ける。代役は防御率4.53

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・フリーランド(コロラド・ロッキーズ)Aug 21, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 WBC連覇を狙う、チームUSAのロースターから、ネスター・コーテズ(ニューヨーク・ヤンキース)が抜け、代わりにカイル・フリーランド(コロラド・ロッキーズ)が加わった。どちらも、左の先発投手だ。

 ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールやSNY(スポーツネット・ニューヨーク)のアンディ・マルティノらによると、コーテズは、右の太腿裏を痛めたという。一方、フリーランドは、昨年12月に出場を表明したが、今月上旬に発表されたロースターには入っていなかった。

 昨年、コーテズは、28先発で158.1イニングを投げ、防御率2.44を記録した。フリーランドは、31先発の174.2イニングで防御率4.53だ。登板とイニングはフリーランドのほうが多いものの、防御率は2点以上の差がある。他のスタッツも、コーテズが優れる。例えば、それぞれの奪三振率は9.27と6.75、与四球率は2.16と2.73、FIPは3.13と4.21だ。

 ただ、コーテズとフリーランドの入れ替わりは、グレードダウンになるとは限らない。フリーランドは、打者天国のクアーズ・フィールドをホームとしている。昨年、ホームのマウンドに上がった16試合は、87.0イニングで防御率6.00ながら、アウェーで投げた15試合は、87.2イニングで防御率3.02を記録している。奪三振は多くないものの、フリーランドのゴロ率は低くない。

 これまで、フリーランドは、ロッキーズ以外の球団には在籍していない。2014年のドラフトで全体8位指名を受け、2017年にメジャーデビュー。昨年の開幕を迎えた時点では、FAまで2シーズン――2023年のオフにFA――だったが、4月半ばに5年6450万ドル(2022~26年)の延長契約を交わした。フリーランドにとって、ロッキーズは地元の球団だ。コロラド州デンバーで生まれ育ち、インディアナ州の大学を経て、ロッキーズに入団した。なお、通算防御率は、ホームの4.77に対し、アウェーは3.77だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事