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10年以上の長期契約を交わし、その球団で契約満了を迎えた選手は何人いるのか。この選手は今年が最終年

宇根夏樹ベースボール・ライター
アルバート・プーホルス(左)とジョーイ・ボトー Aug 31, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年、ジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)は、10年2億2500万ドル(2014~23年)の契約最終年を迎える。2012年の開幕直前に、ボトーとレッズは、翌々年から始まる10年間の延長契約を交わした。

 10年以上の長期契約は、見落としがなければ、これまでに延べ23人が交わしている。アレックス・ロドリゲスは、2度だ。1度目の10年契約を途中で打ち切り、さらに高額な2度目の10年契約を得た。今オフ、カルロス・コレイアは、ニューヨーク・メッツと12年3億1500万ドルの契約で合意に達したが、年が明けても締結には至っていないので、ここには含めていない。

筆者作成
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 契約期間が終わっている、ウェイン・ガーランドからアルバート・プーホルスまでの8人中、途中で移籍や解雇がなかったのは、デレク・ジーターだけだ。ボトーは、2023年のシーズン終了までレッズにいれば、10年以上の長期契約を得て、契約満了までその球団に在籍していた、2人目の選手となる。

 まだ契約期間が残っている選手のうち、ロビンソン・カノー(現FA)とジャンカルロ・スタントン(現ニューヨーク・ヤンキース)の2人も、すでに契約を交わした球団にはいない。

 カノーは、10年2億4000万ドル(2014~23年)の5年目を終えたところでシアトル・マリナーズからニューヨーク・メッツへ放出され、昨年5月にメッツから解雇された(その後、サンディエゴ・パドレスとアトランタ・ブレーブスでプレーした)。スタントンは、2017年のオフにマイアミ・マーリンズからヤンキースへ移籍した。13年3億2500万ドル(2015~27年)の契約期間中、スタントンがマーリンズでプレーしたのは最初の3シーズンに過ぎない(メジャーデビューから数えると8シーズン)。一方、ヤンキースは、2023年が6シーズン目となる。

 ボトーにとって、2022年はワースト・シーズンとなった。それまでのシーズンOPSは.765を下回ったことがなく、15シーズンの通算は.937だったが、16シーズン目は.689にとどまり、8月に左の肩と上腕の手術を受け、シーズンを終えた。

 2023年も不振が続けば、レッズは来年の球団オプションを破棄するだろう。年俸2000万ドルではなく、解約金の700万ドルをボトーに支払うことにするはずだ。ただ、カノーのような、シーズン途中の解雇は、少し考えにくい。ボトーは、レッズのフランチャイズ・プレーヤーだ。2002年のドラフトでレッズに2巡目・全体44位指名を受け、入団以来、移籍することなく、一筋に過ごしてきた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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