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エンジェルスがドラフト全体1位の指名権を得る確率は、大谷翔平がホームランを打たれるよりも低く…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダリン・アースタッド October 8, 2004(写真:ロイター/アフロ)

 従来のドラフトは、基本的に、前年の勝率が低い球団から順に、指名を行っていた。

 例えば、今年のドラフトで全体1位にジャクソン・ホリデイ――マット・ホリデイの息子――を指名したボルティモア・オリオールズは、2021年に両リーグ最多タイの110敗を喫した。ちなみに、アリゾナ・ダイヤモンドバックスも52勝110敗だが、指名順はオリオールズに次ぐ2番目。その理由については、「最多の110敗で並んだ2球団のうち、来年のドラフト全体1位の指名権を持つのは…」で書いた。ダイヤモンドバックスは、全体2位にドルー・ジョーンズを指名した。こちらは、東北楽天ゴールデンイーグルスでもプレーした、アンドルー・ジョーンズの息子だ。

 来年から、全体1位から6位までの指名権は、ロッタリーによって決まる。ポストシーズン進出を逃した18球団は、全体1位の指名権を手にする可能性がある。それぞれの確率は、以下のとおりだ。

筆者作成
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 ワシントン・ナショナルズ、オークランド・アスレティックス、ピッツバーグ・パイレーツは、全体1位の指名権を得る確率が最も高い。いずれも16.5%だ。また、現時点では最もポストシーズンから遠ざかっている、ともに2014年の進出が最後のデトロイト・タイガースとロサンゼルス・エンジェルスは、それぞれ、7.5%と1.8%となっている。

 ちなみに、今シーズンの大谷翔平は、投手として延べ660人の打者と対戦し、ホームランは14本しか打たれなかった。660分の14なので、2.1%だ。エンジェルスが全体1位の指名権を手にする確率は、それよりも低い。

 これまでにタイガースが全体1位で指名したのは、1997年のマット・アンダーソン、2018年のケーシー・マイズ、2020年のスペンサー・トーケルソンだ。ジャスティン・バーランダー(現FA)は、2004年の全体2位。その前に、サンディエゴ・パドレスがマット・ブッシュ(現ミルウォーキー・ブルワーズ)を指名した。エンジェルスの全体1位は、1975年のダニー・グッドウィンと1995年のダリン・アースタッドマイク・トラウトは、2009年の全体25位だ。この年、エンジェルスが最初に指名したのはトラウトではなく、全体24位のランダール・グリチック(現コロラド・ロッキーズ)だった。

 ロッタリーは、12月6日に行われる。トップ6の指名権を得られなかった残りの12球団は、勝率の低い順に、全体7位から18位までの指名権を手にする。

 ポストシーズンに進出した12球団の指名順位は、全体19位から30位だ。こちらは、ワイルドカード・シリーズ敗退→ディビジョン・シリーズ敗退→リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ敗退→ワールドシリーズ敗退→ワールドシリーズ優勝の順となる。同じシリーズで敗退した球団の指名順位は、スモール・マーケットを理由とする「収益分配金」を得ている球団が上、「贅沢税」を課されている球団が下、同じ場合は勝率の低いほうが上だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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