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最多の110敗で並んだ2球団のうち、来年のドラフト全体1位の指名権を持つのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョシュ・バンミーター(中央)Oct 3, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来年のドラフトで、オリオールズは、全体1位の指名権を持つ。ダイヤモンドバックスの最初の指名権は、オリオールズに次ぐ全体2位だ。どちらも52勝110敗なので、勝率.321も同じだが、複数の球団が並んだ場合、前年の勝率が低かった球団の指名順位が上となる。

 ただ、2020年のオリオールズとダイヤモンドバックスは、順位こそ、ア・リーグ東地区の4位とナ・リーグ西地区の5位ながら、いずれも25勝35敗で勝率.417だった。この場合は、さらにもう1年遡る。2019年は、オリオールズが54勝108敗で勝率.333、ダイヤモンドバックスは85勝77敗で勝率.525を記録した。

 また、来年の全体1位と2位の指名権は、シーズンの最後に「逆転」した。161試合を終え、オリオールズは52勝109敗で勝率.323、ダイヤモンドバックスは51勝110敗で勝率.317。オリオールズがダイヤモンドバックスの勝率を下回るのは、10月3日にオリオールズが負けてダイヤモンドバックスが勝つ、●と○のパターンしかなかった。他の3パターン、○と○、○と●、●と●なら、オリオールズの勝率はダイヤモンドバックスを上回っていた。

 オリオールズは、162試合目に大敗を喫し、ダイヤモンドバックスも、7回表が終わった時点では、3点リードされていた。だが、7回裏に点差を2点に縮め、8回裏に追いつくと、9回裏の2死走者なしからジョシュ・バンミーターがホームランを打ち、ダイヤモンドバックスはサヨナラ勝ちを収めた。

 その結果、ダイヤモンドバックスは全体1位の指名権を逃し、2004年に並ぶ球団最多の111敗を免れた。ちなみに、ダイヤモンドバックスが全体1位の指名権を持っていたのは、2005年と2015年だ。16年前はジャスティン・アップトン(現ロサンゼルス・エンジェルス)、6年前はダンズビー・スワンソン(現アトランタ・ブレーブス)を指名した。

 今年と同じようなことは、数年前にも起きている。それについては、こちらで書いた。

「ドラフト直前。全体1位の指名権は「パンダ」のおかげで「虎」が持つ」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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