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最初の4試合が「ヌケヌケ」のシリーズは○●○●と●○●○どちらの優勝が多い!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・アルトゥーベ(左)とブライス・ハーパー Nov 2, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ここまでのワールドシリーズは、フィラデルフィア・フィリーズとヒューストン・アストロズが、それぞれ2勝を挙げている。どちらも、連勝/連敗はしていない。フィリーズが○●○●。当然ながら、アストロズはその裏返しの●○●○だ。

 最初の4試合が「ヌケヌケ」のワールドシリーズは、見落としがなければ、今年が18度目だ。過去17度の優勝は、○●○●が8度、●○●○は9度。差はないに等しいが、直近の5度は、いずれも○●○●のチームが優勝を飾っている。

筆者作成
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 また、最初の4試合がヌケヌケのシリーズは、最後までもつれることが多い。6試合で終わったシリーズ――優勝したチームが第5戦と第6戦に勝利――は5度だ。17分の5、全体の30%に満たない。

 シリーズを通してヌケヌケだったのは、1909年と1962年、1997年の3度。今年が4度目となれば、優勝するのはフィリーズだ。アストロズは、ヌケヌケのままでは優勝できない。●○●○●○●の3勝4敗となる。

 1944年のシリーズは、最初の4試合のヌケヌケだけでなく、シーズン90勝未満と100勝以上の対戦という点も、今年のシリーズと共通する。それについては、「シーズン90勝未満と100勝以上。ワールドシリーズ優勝が多いのは…。今年の対戦は87勝と106勝」で書いた。

 ただ、1944年のシリーズは、105勝のセントルイス・カーディナルスが●○●○、89勝のセントルイス・ブラウンズは○●○●だ。今年の場合、87勝のフィリーズが○●○●、106勝のアストロズは●○●○なので、シーズンの白星の多さ/少なさとヌケヌケのパターンは、78年前のシリーズとは一致していない。

 なお、第5戦の先発投手については、こちらで書いた。

「ワールドシリーズ第5戦に投げ合う2人はどちらも2年前に「トミー・ジョン手術」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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