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ダルビッシュが「負ければポストシーズン敗退の試合」に登板するのは4度目。過去3度の結果は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)Oct 18, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)は、10月23日に行われるリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第5戦に登板し、フィラデルフィア・フィリーズに対して投げる。ここまで、パドレスは1勝3敗だ。第5戦に負けると、ポストシーズンから姿を消す。フィリーズのリーグ優勝が決まる。

 2012年のメジャーデビュー以降、ダルビッシュがポストシーズンのマウンドに上がるのは、10月23日が11度目。そのうち、負ければポストシーズン敗退の試合に登板するのは、4度目となる。レギュラーシーズンでもそうだが、リリーフとして投げたことは、一度もない。

 過去の3度は、2012年のワイルドカード・ゲームと2017年のワールドシリーズ第7戦に、0勝1敗で迎えた2020年のワイルドカード・シリーズ第2戦だ。2012年のワイルドカード・ゲームは、1試合で決着。2020年のワイルドカード・シリーズは、2勝したチームがディビジョン・シリーズへ進むフォーマットだった。

 ダルビッシュは、それぞれの試合に、テキサス・レンジャーズ、ロサンゼルス・ドジャース、シカゴ・カブスの投手として投げた。3試合とも、チームは敗れ、ダルビッシュは黒星を喫した。

 ただ、2012年と2020年の黒星は、打ち込まれたわけではない。どちらも6.2イニングを投げ、3失点と2失点。自責点は2ずつだ。味方の打線が抑えられ、1得点と無得点に終わった。

 一方、負ければ敗退、勝てばワールドシリーズ優勝となる2017年の試合は、エラーも絡んで2失点の1回表に続き、2回表に3点を追加され、イニングの途中でマウンドを降りた。このシリーズの第3戦も、2回途中に降板。ダルビッシュは、ヒューストン・アストロズに2試合続けてKOされた。もっとも、それから2年後に、当時のアストロズはサイン盗みを行っていたことが発覚している。

 過去の例からもわかるように、ダルビッシュがリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第5戦に好投しても、パドレスが勝てるとは限らない。だが、8月18日以降の11登板――レギュラーシーズン8登板とポストシーズン3登板――は、いずれも3失点以下だ。そのなかで6イニング未満は、6回裏の途中にロベルト・スアレスと交代した、ディビジョン・シリーズ第2戦しかない。

【追記:10/23】

 今回のダルビッシュと同じ状況で先発マウンドに上がった、他の日本人投手については、こちらで書いた。

「「負ければポストシーズン敗退」の試合に先発の日本人投手はダルビッシュら5人。最高の投球をしたのは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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