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ポストシーズンのロースターにいる「日本プロ野球の経験者」は過半数が同じチームに在籍

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブランドン・ディクソン(サンディエゴ・パドレス)Oct 4, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワイルドカード・シリーズのロースターに入っている選手のなかには、日本プロ野球の経験者が9人いる。26人×8チーム=計208人のうち9人なので、全体の4.3%だ。

 9人のうち、過半数の5人、ダルビッシュ有(2005~11年/北海道日本ハム・ファイターズ)、ロベルト・スアレス(2016、18~19年/福岡ソフトバンク・ホークス、2020~21年/阪神タイガース)、ニック・マルティネス(2018、20年/北海道日本ハム、2021年/福岡ソフトバンク)、ピアース・ジョンソン(2019年/阪神)、ブランドン・ディクソン(2021年/東北楽天ゴールデンイーグルス)は、サンディエゴ・パドレスにいる。各選手の年は、一軍の試合に出場したシーズンを表記した。

 今シーズン、ジョンソンは4月と9月以降に計15登板、ディクソンは9月29日~10月5日に出場5試合ながら、ワイルドカード・シリーズのロースターに入った。

 ディクソンは、5試合で14打数3安打(打率.214)に過ぎないものの、マイナーリーグでは、AAとAAAの各25試合で、打率.367と10本塁打、打率.371と13本塁打を記録している。打率もさることながら、ロースター入りはパワーを買われてのことだと思われる。二塁打と三塁打を含めると、AAとAAAの計72安打中、56.9%の41本が長打だ。出場機会があるとすれば、代打としてだろう。これまでにポストシーズンの経験はなく、第1戦は出場しなかった。

 また、フェルナンド・タティースJr.の出場停止が、ディクソンにポストシーズンでプレーするチャンスをもたらした、という見方もできなくはない。ちなみに、パドレスのポストシーズンの結果は、出場できないタティースJr.にも無関係ではない。それについては「出場停止80試合」は、今シーズンの48試合と、来シーズンは10試合の可能性も!?」で書いた。

 ダルビッシュとスアレスは、第1戦に登板した。スアレスは、ダルビッシュに続く2番手として投げ、8回裏の1イニングを3人で終わらせた。

 日本プロ野球でプレーしたことのある、他の4人は、トロント・ブルージェイズの菊池雄星(2011~18年/埼玉西武ライオンズ)とアンソニー・バス(2016年/北海道日本ハム。登録名はバース)、セントルイス・カーディナルスのマイルズ・マイコラス(2015~17年/読売ジャイアンツ)、ニューヨーク・メッツのジョエリー・ロドリゲス(2018~19年/中日ドラゴンズ)だ。

 マイコラスは、第2戦の先発マウンドに上がる。カーディナルスはパドレスフィラデルフィア・フィリーズと対戦し、第1戦に敗れているので、第2戦も黒星の場合、シリーズ敗退となり、ポストシーズンから姿を消す。アルバート・プーホルスヤディアー・モリーナにとっては――あるいはアダム・ウェインライトにとっても――キャリア最後の試合になりかねない。

 なお、ワイルドカード・シリーズのロースターに名を連ねる、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とチームメイトだった選手については、こちらで書いた。

「大谷翔平とチームメイトだった選手はWカード・シリーズに7人。初出場のマーシュは初安打&初打点」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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