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「ポストシーズンから最も遠ざかっているチーム」はエンジェルスとタイガースに。最後の進出は8年前

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左)とミゲル・カブレラ Jun 17, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 シアトル・マリナーズは、2001年以来のポストシーズン進出を決め、「ポストシーズンから最も遠ざかっているチーム」の称号を返上した。また、2番目にブランクの長かったフィラデルフィア・フィリーズも、マリナーズと同じくワイルドカードを手にした。それまで、フィリーズのポストシーズン進出は、2011年が最後だった。

 マリナーズ(とフィリーズ)のポストシーズン進出により、新たに「ポストシーズンから最も遠ざかっているチーム」となったのは、ロサンゼルス・エンジェルスとデトロイト・タイガースだ。どちらも、2014年に地区優勝を飾った後、8年続けてポストシーズンへ進んでいない。

 8年間(2015~22年)のブランクを比べると、トータルの黒星は、エンジェルスのほうがタイガースよりも少ない。ただ、このスパンに勝率.500以上のシーズンが1度だけという点は、両チームとも共通する。エンジェルスは2015年に勝率.525(85勝77敗)、タイガースは2016年に勝率.534(86勝75敗)なので、負け越しのシーズンが長く続いているのは、エンジェルスのほうだ。エンジェルスの7年連続負け越しは、継続中では最も長い。タイガースの6年連続負け越しは、カンザスシティ・ロイヤルズとテキサス・レンジャーズと並んでいる。

筆者作成
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 タイガースは、現在のブランクの直前、2011~14年に4年続けて地区を制した。そこから、2014年のオフに、マックス・シャーザー(現ニューヨーク・メッツ)がFAとなり、ワシントン・ナショナルズへ移籍。また、タイガースは、2017年の夏に、ジャスティン・バーランダー(現ヒューストン・アストロズ)をアストロズへ放出した。

 一方、エンジェルスは、2002~09年の8年間にポストシーズンへ6度進出した後、4年間のブランクを経て、2015年にポストシーズンへ返り咲いたが、連続とはならず、再び遠ざかっている。ちなみに、マイク・トラウトは、2014年と2016年と2019年にMVPを受賞。大谷翔平は、昨シーズンに続き、今シーズンも受賞する可能性がある。

 なお、2014~17年のタイガースと2019年のエンジェルスは、ブラッド・オースマスが監督として采配を振った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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