MVP投票のトップ2に同じチームの選手が並ぶ!? 大谷&トラウトでもジャッジ&コールでもなく…
ア・リーグのMVPは、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)か大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が受賞するだろう。どちらになるのかはわからないが、投票1位と2位、あるいは1位タイの同時受賞がこの2人であることは、まず間違いない。
一方、ナ・リーグでは、同じチームの選手がMVP投票の1位と2位に並ぶかもしれない。ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)は、リーグ・トップのOPS1.029を記録している。ゴールドシュミットに次ぐのは、どちらもOPS.923の2人、ノーラン・アレナード(カーディナルス)とオースティン・ライリー(アトランタ・ブレーブス)だ。また、ナ・リーグでrWAR7.0以上は、ゴールドシュミットとアレナードの2人だけ。他の選手は、投手を含め、いずれも6.7以下だ。
MVP投票でチームメイトがトップ2は、見落としがなければ、BBWAA(全米野球記者協会)による選出が始まった1931年以降に、24度起きている。1931~2021年の91シーズン×2リーグの182度に占める割合は、13.2%だ。
そのうちの3度は、1位と2位だけでなく、3位もチームメイトだった。1941年のナ・リーグは、ブルックリン・ドジャースのドルフ・カミリ、ピート・リーザー、ウィット・ワイアット。1959年のア・リーグは、シカゴ・ホワイトソックスのネリー・フォックス、ルイス・アパリシオ、アーリー・ウィン。1966年のア・リーグは、ボルティモア・オリオールズのフランク・ロビンソン、ブルックス・ロビンソン、ブーグ・パウエルだ。
ただ、1970年以降、チームメイトのトップ2は激減している。1970年代と1980年代は2度ずつ。その後の2度は、1990年と2000年のナ・リーグだ。今年、ゴールドシュミットとアレナードが1位と2位なら、今世紀に入ってからは初のチームメイトということになる。
ちなみに、1990年の1位と2位は、ピッツバーグ・パイレーツのバリー・ボンズとボビー・ボニーヤ。2000年の1位と2位は、サンフランシスコ・ジャイアンツのジェフ・ケントとボンズ。どちらのトップ2も、順序と2人の仲はさておき、ボンズとそのチームメイトだ。
なお、MVP投票の1位と2位を擁した24チーム中、ポストシーズンに進めなかったのは、1チームしかない。地区制が始まる前の18チーム中17チームはリーグ優勝を飾り、地区制が始まってからの6チームはすべて地区優勝を果たしている。この結果からすると、大谷とマイク・トラウトが揃って故障せずに過ごしていれば、エンジェルスも……と思わずにいられない。
今シーズン、カーディナルスは、ナ・リーグ中地区の首位に立ち、2位のミルウォーキー・ブルワーズに7.5ゲーム差をつけている。