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30チームで最も遅い「今年初のサヨナラ勝ち」。日本でもプレーした30歳のルーキーがホームランを打つ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョーイ・メネセス(ワシントン・ナショナルズ)Sep 1, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月1日、ワシントン・ナショナルズは、7対5で勝利を収めた。3対3で迎えた10回表に2点を取られ、3対5とリードされたが、その裏に4点を挙げた。ナショナルズのサヨナラ勝ちは、約1年ぶり。昨年9月6月以来だ。昨シーズンのサヨナラ勝ちは、7度を数えた。

 今シーズン、30チーム中25チームは、5月が終わるまでにシーズン最初のサヨナラ勝ちを記録した。その後、6月1日にシカゴ・カブスとコロラド・ロッキーズがサヨナラ勝ちを収め、6月4日にマイアミ・マーリンズ、7月3日にはシンシナティ・レッズも続き、ナショナルズは、サヨナラ勝ちのない唯一のチームとなっていた。

 ちなみに、今シーズンのサヨナラ勝ちは、13試合のニューヨーク・ヤンキースが最も多く、ナショナルズを除く29チームのなかでは、2試合のテキサス・レンジャーズが最も少ない。

 サヨナラ勝ちの多さと少なさは、必ずしも、チームの強さと弱さとは一致しない。例えば、ロサンゼルス・ドジャースは、どこよりも速く90勝に到達していて、ホームの勝率はアウェーを上回るが、サヨナラ勝ちは3試合しかない。

 シーズン初のサヨナラ勝ちをナショナルズにもたらしたのは、3年前にオリックス・バファローズでプレーした、ジョーイ・メネセスだ。30歳のメネセスは、8月2日にメジャーデビューし、最初の18試合で6本のホームランを打った。それについては、「日本でも開花できなかった30歳のルーキーが、デビューから1ヵ月経たずに6本塁打」で書いた。

 出場25試合目の9月1日は、最初の打席にシングル・ヒットを打って1打点を挙げ、2打席目と4打席目もシングル・ヒット。そして、10回裏、2死一、二塁の場面で回ってきた6打席目に、ホームランを打った。当然ながら、サヨナラ打のみならず、サヨナラ打点も初。また、1試合4安打と1試合4打点は、どちらも自己最多を更新した。それまでは、1試合3安打と1試合2打点(3度)が最も多かった。

Sep 1, 2022
Sep 1, 2022写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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