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WBCの「チームUSA」には大物が揃うが、監督は地味!? 過去3度はワールドシリーズ優勝監督だが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーク・デローサ/右は城島健司 March 22, 2009(写真:ロイター/アフロ)

 来年3月、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、6年ぶりに開催される。連覇がかかるチームUSAには、大物選手が次々と参加を表明している。

 捕手のJ.T.リアルミュート(フィラデルフィア・フィリーズ)、一塁手のポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)とピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)、二塁手/遊撃手のトレバー・ストーリー(ボストン・レッドソックス)、三塁手のノーラン・アレナード(カーディナルス)、外野手のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)とブライス・ハーパー(フィリーズ)だ。7人とも、少なくとも2度、オールスター・ゲームに選ばれていて、その合計は38度に達する。

 一方、彼らを起用するマーク・デローサ監督は、スーパースターではなかった。内外野を守りながら、1998年から2013年までメジャーリーグでプレーしたものの、オールスター・ゲームには一度も選ばれていない。全盛期は、4シーズン続けて500打席以上の2006~09年だ(他の12シーズンは、いずれも350打席未満)。2006年は40二塁打、2007~08年は出塁率.370以上、2008~09年は20本塁打以上を記録した。通算1241試合に出場し、打率.268、出塁率.340、100本塁打、23盗塁、OPS.751。現在は、MLBネットワークの番組でホストを務めている。

 また、デローサは、マイナーリーグを含め、監督・コーチの経験を持たない。過去3度のWBCでチームUSAの監督を務めた3人、2009年のデービー・ジョンソン、2013年のジョー・トーリ、2017年のジム・リーランドは、いずれもワールドシリーズ優勝監督だ。2006年のバック・マルティネスも、2001~02年にトロント・ブルージェイズで采配を振っている。

 もっとも、監督としての経験がなくても、采配に不安あり、とはならない。未知数というだけだ。WBCには、2009年に出場している。

 それよりも気になるのは、投手陣の顔ぶれだろう。今のところ、出場を表明しているのは、いずれも野手だ。2017年にチームUSAのメンバーとして投げ、MVPを受賞したマーカス・ストローマン(現シカゴ・カブス)は、プエルトリコ代表として出場すると表明している。ストローマンの母は、プエルトリカンだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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