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大谷翔平が今シーズンも三塁打と敬遠四球の「二冠」なら、2年連続は史上初!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Jul 13, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨シーズン、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、打者として、どちらもア・リーグ最多の8三塁打と20敬遠四球を記録した。今シーズンも、そうなる可能性はある。8月18日の時点で、5三塁打はアーメッド・ロザリオ(クリーブランド・ガーディアンズ)と2本差の2位タイ、12敬遠四球はトップだ。大谷に次ぐ2位には、8敬遠四球の3人、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)、ラファエル・デバース(ボストン・レッドソックス)、ホゼ・ラミレス(ガーディアンズ)が並ぶ。

 敬遠四球が公式記録となった1955年以降、同じシーズンに三塁打と敬遠四球のどちらもリーグ1位は、昨シーズンの大谷を含め、3人しかいない。

 1975年のラルフ・ガーは、11三塁打がナ・リーグで最も多く、17敬遠四球は1位タイだった。1977年のロッド・カルーは、16三塁打と15敬遠四球がア・リーグ1位だ。この年のカルーは、239安打、128得点、打率.388、出塁率.449、OPS1.019も1位。昨シーズンの大谷と同じく、MVPを受賞している。

 ガーは、1974年の17三塁打もナ・リーグ1位なので、三塁打は2年連続トップだが、1974年の10敬遠四球はトップ15に入っていない。それに対し、カルーは、1977年に続き、1978年もリーグ最多の19敬遠四球を記録したものの、10三塁打は2位タイ。上には、15三塁打のジム・ライスがいた。

 ちなみに、ガーとカルーは、ともにエンジェルスでもプレーしたが、リーグ最多の三塁打と敬遠四球を記録した当時は、それぞれ、アトランタ・ブレーブスとミネソタ・ツインズにいた。

 また、2人とも、大谷のようなパワー・ヒッターではなかった。ともに、シーズン最多本塁打は15本未満。通算の本数も、三桁に達していない。一方、ガーは1974年に首位打者を獲得していて、カルーの首位打者は7度を数える。通算打率は、いずれも.300以上だ。カルーは3053安打を記録し、殿堂入りしている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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