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アーロン・ジャッジは「大差の本塁打王」の歴代何位にランクインする!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Aug 10, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月10日、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)とヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)は、それぞれ1本ずつ、ホームランを打った。2人は、ア・リーグの本塁打トップ2に位置している。ただ、ジャッジの45本に対し、アルバレスは31本だ。そこには、14本の差がある。

 これまでに、リーグ2位の選手に14本以上の差をつけた本塁打王は、以下のとおりだ。

筆者作成
筆者作成

 例えば、2017年のナ・リーグのトップ2は、59本のジャンカルロ・スタントン(当時マイアミ・マーリンズ/現ヤンキース)と39本のコディ・ベリンジャー(ロサンゼルス・ドジャース)なので、その差は20本となる。ちなみに、この年のア・リーグは、52本のジャッジが本塁打王を獲得した。スタントンとジャッジの差は、7本だ。

 また、1964年に47本のウィリー・メイズは、ナ・リーグ2位のビリー・ウィリアムズより14本多かったが、ア・リーグの本塁打王、ハーモン・キルブルーと比べると、2本少なかった。キルブルーとア・リーグ2位のブーグ・パウエルとの差は、10本だった。

 大差の上位には、ベーブ・ルースが並ぶ。リーグ2位に25本以上の差をつけた本塁打王は、ルース以外にいない。しかも、ボストン・レッドソックスからヤンキースへ移った1年目の1920年は、ア・リーグ2位と3位と4位の合計本数を上回った。19本(ジョージ・シスラー)+17本(ティリー・ウォーカー)+14本(ハッピー・フェルシュ)=50本に対し、ルースは54本のホームランを打った。両リーグの2~4位でも同様。こちらは、19本+17本+15本(サイ・ウィリアムズ)=51本だ。

 今シーズンのジャッジの場合、このままの14本差で本塁打王を獲得すると、大差の歴代17位タイにランクインする。

 ただ、差はもっと広がるかもしれない。ヤンキースとアストロズは、どちらも112試合を終えている(ともに71勝41敗)。ここまでのジャッジは約2.5試合に1本、アルバレスは約3.6試合に1本のペースだ。2人とも最後までペースが変わらなければ、それぞれのシーズン本塁打は64~65本と44~45本。その差は、20本前後に広がる。ルースを除くと、リーグ2位に20本以上の差をつけた本塁打王は、1956年のミッキー・マントルと2017年のスタントンしかいない。どちらも20本差だ。

 一方、ナ・リーグのトップは、34本のカイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)だ。ジャッジの本数は、シュワーバーと比べても、11本も多い。

 なお、日本プロ野球でリーグ2位に大差をつけた本塁打王については、6月にこちらで書いた。

「山川穂高の20本塁打は2位と9本差。これまでに「10本以上の大差で本塁打王」は…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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