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ホアン・ソトに「抱き合わせトレード」案が浮上。大谷翔平とあの選手のセットもあり!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左)とアンソニー・レンドーン May 9, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 この夏、ホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)がトレードで移籍する可能性は高い。FAになるのは2024年のオフだが、ナショナルズは15年4億4000万ドルの延長契約を申し出て、ソト(と代理人のスコット・ボラス)に断られた。引き留められないのであれば、FAとなって退団する前に、トレードで見返りを得るのが次善の策となる。基本的に、手放すタイミングが早ければ早いほど、球団は大きな見返りを手にすることができる。

 トレードについては、ソトだけでなく、パトリック・コービンをセットにして放出する案が浮上しているという。ジ・アスレティックのジム・ボウデンが報じている。情報の信憑性とは無関係ながら、ボウデンは、シンシナティ・レッズとナショナルズでGMを務めた。

 コービンは、今シーズンが6年1億4000万ドルの4年目だ。ナショナルズに入団後は、2019年が202.0イニングで防御率3.25、短縮シーズンの2020年が65.2イニングで防御率4.66、2021年が171.2イニングで防御率5.82、2022年の前半戦は99.2イニングで防御率5.87を記録している。ほぼ故障なく投げているとはいえ、契約に見合う防御率は、最初のシーズンだけだ。このままいくと、2年続けて両リーグ・ワーストの防御率になりかねない。

 2023~24年のコービンの年俸は、合計5900万ドルだ。今シーズンの残り分を含めると、6000万ドルを超える。ナショナルズは、ソトと抱き合わせてコービンを手放し、年俸総額を減らしたいということだ。ソトを単独で放出するトレードと比べると、得られる見返りは少なくなるが、それでも構わないと考えているのだろう。これからコービンに支払う金額のいくらかを、ナショナルズが負担することもあり得る。過去にも、こういった抱き合わせのトレードは起きている。

 一方、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)にも、トレードの噂が出ている。大谷がFAになるのは、来シーズンの終了後だ。ソトよりも1年早い。ナショナルズと同じく、エンジェルスも低迷している。

 エンジェルスが大谷を放出する場合、誰かをセットで手放したいと考えるとすれば、真っ先に思い浮かぶのは、アンソニー・レンドーンだろう。7年2億4500万ドルの契約で入団後、2020年は60試合中52試合に出場し、OPS.915を記録したが、ここ2シーズンは故障に見舞われ、出場はどちらも60試合に届いていない。その上、両シーズンとも、OPSは.700を少し超える程度だ。今シーズンは、6月に右手首の手術を受け、来シーズンまで復帰できないことが、すでに確定している。

 ただ、コービンと違い、レンドーンの契約は、残りの金額が大きい。2023~26年の年俸は各3800万ドル。合計は1億5200万ドルだ。大谷を獲得するためであっても、数人のプロスペクトを手放すのに加え、レンドーンの契約まで肩代わりしようとする球団は――エンジェルスが半分近い金額を負担しても――現れない気がする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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