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7年1億8200万ドルで入団したスラッガーが、ようやくシーズン初本塁打を打つ

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリス・ブライアント(コロラド・ロッキーズ)Jun 27, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月5日、クリス・ブライアント(コロラド・ロッキーズ)は、6回表にセンターへホームランを打った。チームの81試合目にようやく出た、今シーズンの初本塁打だ。昨年の夏、シカゴ・カブスからサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍したブライアントは、オフにFAとなり、7年1億8200万ドルの契約でロッキーズに迎えられた。

 今シーズンの欠場は、すでに2ヵ月近い。4月下旬と5月下旬に故障者リストへ入り、いずれも復帰まで約1ヵ月を要した。どちらの離脱も、原因は腰だ。とはいえ、まったく試合に出ていなかったわけではなく、7月5日は出場24試合目。ホームランを打ったのは、91打数目だ。それまで、シーズン1本目が最も遅かったのは、メジャーリーグ1年目の2015年。出場21試合目と74打数目だった。また、昨シーズン最後のホームラン(9月15日)から今シーズン最初のホームランまでの間は、143打数で0本。こちらも、2018年5月から6月まで、107打数に及んだホームランなしのストリークを超えた。

 一方、カブスでブライアントとともに打線の中軸を担ったアンソニー・リゾー(ニューヨーク・ヤンキース)は、今シーズン、22本のホームランを打っている。リゾーもブライアントと同じく、昨夏にカブスから放出された。そして、オフにFAとなり、ヤンキースと再契約を交わした。こちらは、2年3200万ドルだ。

「ブリゾー」の契約1年目は、今のところ、明暗が分かれている。だが、ブライアントは、ここからホームランを量産するかもしれない。ホーム・フィールド・アドバンテージがあるのは、リゾーだけではない。ヤンキー・スタジアムは左打者のホームランが出やすく、クアーズ・フィールドは打者天国だ。

 6月27日に2度目の故障者リストから復帰後、ブライアントは7試合に出場し、長打こそホームランと二塁打が1本ずつながら、29打数10安打(打率.345)を記録している。

 なお、入れ替わりということではないだろうが、リゾーは、7月5日の試合前に腰の張りを訴え、予定していた出場を取りやめた。まだ状態ははっきりしないものの、翌日のスターティング・ラインナップにも、リゾーの名前はない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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