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デビュー早々に「1試合3本塁打」を記録すると大成しない!? なかには通算10本塁打未満の選手も

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリスチャン・ビヤヌエバ Jul 5, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月19日、ジャック・スウィンスキー(ピッツバーグ・パイレーツ)は、1試合に3本のホームランを打った。それについては、「「サヨナラを含む1試合3本塁打」はそう珍しくないのか。今月はこの選手が2人目」でも書いた。

 スウィンスキーは、4月下旬にメジャーデビューした。1試合3本塁打を記録したのは、出場47試合目だ。ベースボール・リファレンスは、デビューから50試合以内に1試合3本塁打は、1901年以降のナ・リーグとア・リーグにおいて、スウィンスキーが12人目と謳い、選手とその試合のスタッツを紹介している。

 そこには、大物選手があまり見当たらない。

筆者作成
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 4人の現役選手を除く8人中、殿堂入りしているのは、ミッキー・カクレインだけ。オールスター・ゲーム選出とMVP受賞も同様。それぞれ2度のカクレイン以外は、現役選手を含めてもゼロだ。通算100本塁打以上のみならず、通算350試合以上に出場した選手も、1482試合のカクレインと1347試合のハル・トロスキーしかいない。

 もっとも、メジャーリーグに限らなければ、キャリアを築いた選手は、他にもいる。マーブ・コナーズは、一部判然としない部分もあるが、マイナーリーグで通算400本のホームランを打った。日本プロ野球でもプレーした2人のうち、クリスチャン・ビヤヌエバの出場は2019~20年の2シーズンで計127試合、ホームランは計12本ながら、ホセ・オーティズは2003~04年と2007~13年の9シーズンに、パ・リーグの4球団で計821試合に出場。1年目の33本塁打を含め、シーズン20本塁打以上は4度を数え、通算135本塁打を記録した。

 また、現役選手のうち、アリスティーディス・アキーノ(シンシナティ・レッズ)は、伸び悩んでいる。セビー・ザバラ(シカゴ・ホワイトソックス)は、正捕手と控え捕手に次ぐ、第3の捕手だ。基本的には、マイナーリーグでプレーしている。けれども、ヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)はスーパースターとなりつつあり、今月上旬に大型契約も手にした(「6年1億1500万ドルの契約は、年俸調停前の歴代4位。それより高額だった3人は…」)。今年のオールスター・ゲームにも選ばれるだろう。

 なお、この12人中、トロスキーの1試合3本塁打は2度。1934年5月30日と1937年7月5日だ。アルバレスとアキーノの1試合3本塁打は、球場こそ違うが、どちらも2019年8月10日だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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