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6年1億1500万ドルの契約は、年俸調停前の歴代4位。それより高額だった3人は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)Jun 3, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月3日、ヒューストン・アストロズは、ヨーダン・アルバレスと6年1億1500万ドル(2023~28年)の延長契約を交わした。

 アルバレスは、メジャーリーグ4年目のキューバンだ。今月下旬に25歳となる。ポジションは、DHとレフト。2019年は87試合で27本塁打と出塁率.412を記録し、満票で新人王に選ばれた。2020年はほぼ全休したものの、昨シーズンは144試合で33本塁打と出塁率.346。今シーズンは、48試合で16本塁打と出塁率.391を記録している(6月5日時点)。ホームランは、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と5本差の2位だ。

 アルバレスの延長契約は、来シーズンからスタートする。契約金が500万ドルで、各シーズンの年俸は、2023年が700万ドル、2024年が1000万ドル、2025年が1500万ドル、2026~28年は2600万ドルずつだ。

 今シーズンの年俸が76万4600ドルであることからわかるように、アルバレスは、年俸調停を申請する権利をまだ得ていない。今回の契約期間は、年俸調停権を持つ3年分(2023~25年)とFA後の3年分(2026~28年)に相当する。年俸調停を経ることなく、FAになるのは3年遅くなる――アストロズはアルバレスを3年多く保有できる――ということだ。

 この契約をいち早く報じた、ESPNのジェフ・パッサンによると、年俸調停前の選手が得た契約のなかでは、フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)の14年3億4000万ドル(2021~34年)、バスター・ポージーの8年1億5900万ドル(2014~21年)、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)の6年1億4450万ドル(2015~20年)に次ぎ、4番目の高額(総額)だという。ポージーの契約は、2013年の800万ドルを含め、9年1億6700万ドルとする見方もあるが、どちらでも順位に変わりはない。

 ポージーのキャリアについては、昨年11月に「バスター・ポージーは殿堂入りするのか。ジャイアンツの名捕手が34歳で引退」で書いた。

 トラウトは、2019年の開幕前に、残り2年分(2019~20年)の契約を置き換える形で、12年4億2650万ドル(2019~30年)の延長契約を交わした。ちなみに、現在の26打数0安打は、自己最長のヒットレス・ストリークだが、おそらく、ほんの一時的なものだろう。

 タティースJr.の契約は、まだ2年目だ。しかも、今シーズンは開幕から欠場している。とはいえ、昨シーズンは43本のホームランを打ってタイトルを獲得しただけでなく、25盗塁も記録した。遊撃の守備も含め、全体的にポージーやトラウトよりも華やかな印象がある。

 アルバレスも、この3人と同じように、メジャーリーグを代表するスーパースターになっていくのかもしれない。

 一方、アストロズは、こちらも今オフに初めて年俸調停権を得るカイル・タッカー――今シーズンの年俸はアルバレスとほぼ同額の76万4200ドル――と、開幕前に契約延長の交渉を行っていたが、MLB.comのマーク・フェインサンドらによると、こちらはまとまらなかったという。もっとも、FAになるのは2025年のシーズン終了後なので、まだ交渉の時間はある。

 25歳のタッカーは、アルバレスと同じ左打者だ。ライトを定位置とする。今シーズンの9本塁打と出塁率.348は、どちらもアルバレスに及ばないものの、昨シーズンはアルバレスと同水準の30本塁打と出塁率.359を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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