球団の支配権を巡る骨肉の争い。オーナーの息子が兄と母を訴える
球団の支配権を巡り、家族の間で諍いが起きている。
ボルティモア・オリオールズの筆頭オーナーは、ピーター・アンジェロスだ。だが、近年は健康状態が優れず、実質的な支配権は息子のジョンが握っている。他球団のオーナーたちは、2020年の秋にそのことを承認した。
オリオールズのオーナー・グループには、ピーターの息子でジョンの弟である、ルイスも名を連ねている。この3人だけではなく、映画監督のバリー・レビンソン――「ナチュラル」「グッドモーニング、ベトナム」「レインマン」など――もその一人だが、メディア・ガイドのトップ3にいるのは、アンジェロス家の人々だ。それぞれの年齢は、92歳、54歳、52歳。この一件には、ピーターの妻、80歳のジョージアも顔を出す。
今月上旬、ルイスは、兄と母を郡の裁判所に告訴した。父の意向に反し、兄が球団の支配権を独占しているというのが、その訴えの中心だ。ルイスは、自分が除け者にされているのは不当、と主張しているわけだ。
ピーターは、1993年の秋にオリオールズのオーナーとなった。この時の買収額は、1億7300万ドルだった。今年3月にフォーブスが発表したランキングによると、オリオールズの資産価値は、30球団中22位ながら、評価額は13億7500万ドル。買収時の約8倍だ。
なお、1995年以降、オリオールズは、ポストシーズンに5度進出している。1996~97年、2012年、2014年、2016年がそうだ。この5度とも、ワールドシリーズには進めず、2017年からは5年続けて負け越している。過去5年のうち、2020年の地区4位以外は最下位に位置し、今シーズンもそうなりそうな気配だ。
ア・リーグ東地区で借金を抱えているのは、オリオールズだけ。今月上旬に「地区4位でもポストシーズン進出!? 現時点の勝率なら、ア・リーグのワイルドカード3枠はすべて東地区」で書いたとおり、他の4チームは勝ち越しているだけでなく、ポストシーズン進出圏内にいる。