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トラウトの連続無安打が26打数で止まる。さらに長かったMVP3度の選手は…。エンジェルスは12連敗

宇根夏樹ベースボール・ライター
Jun 6, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月6日、ロサンゼルス・エンジェルスは、マイケル・ワカ(ボストン・レッドソックス)に完封され、0対1で敗れた。5月25日から12連敗。これは、1シーズンの球団記録だ。1988年に並ぶ。この時は、翌シーズンの開幕戦を含め、13連敗を記録した。エンジェルスの大型連敗については、「エンジェルスが球団史上9度目の10連敗。最も長い連敗まで、あといくつ!?」にリストを掲載した。

 そのなかで、マイク・トラウトは、1打席目にシングル・ヒットを打った。5月29日の1打席目から、7試合で計26打数にわたった連続ノーヒットをストップさせた。

 トラウトの26打数連続ノーヒットは、歴代の記録と比べると、そう長くはない。イニシャルCのクリス・デービスが2018~19年に記録した54打数ノーヒットを筆頭に、35打数以上にわたって無安打に終わった選手は、50人以上を数える。それよりも少し短いが、3465本のヒットを打ち、通算打率.310のデレク・ジーターも、2004年4月に32打数連続ノーヒットのスパンがあった。

 けれども、ESPNスタッツ&インフォによると、MVP3度以上の11人中、トラウトよりも長い連続ノーヒットを記録したのは、1973~74年に29打数連続と1988年に30打数連続のマイク・シュミットしかおらず、トラウトの26打数連続は、2016年のアルバート・プーホルス(当時エンジェルス/現ロサンゼルス・エンジェルス)と並び、3番目の長さだという。

 シュミットとプーホルスも、MVPを3度受賞している。現時点のトラウトと同じだ。ただ、1973~74年のシュミットは、初受賞の前。1988年のシュミットと2016年のプーホルスは、どちらも3度目の受賞後だが、年齢は30代後半だった。トラウトは、2ヵ月後に31歳の誕生日を迎える。

 ここから、復調となるのかどうかは、まだ予断を許さないものの、この試合で2度出塁したエンジェルスの選手は、トラウトだけだ。2打席目は三振を喫したが、3打席目に四球を選んだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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