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打者天国で「9イニングを終えて0対0」は2度目。その確率は0.1%未満!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
チャド・クール(コロラド・ロッキーズ)Jun 3, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 コロラド・ロッキーズの本拠地、クアーズ・フィールドは「打者天国」だ。それについて、異論はないだろう。これまでに「首位打者を獲得したければ、デンバーへ行こう!」「この選手が本塁打ランキングの1位にいるのは「打者天国」のおかげなのか」でも書いたとおりだ。

 だが、6月3日の試合は、通常とは違う展開となった。スコアボードには、上下のどちらにも0が並び、試合は延長戦へ。アトランタ・ブレーブスが10回表に3点を挙げ、その裏のロッキーズの反撃を1点にとどめた。

 クアーズ・フィールドにおいて、9イニングを終えて0対0は、それまで1試合しかなかった。今から14年前の、2008年9月14日だ。ロサンゼルス・ドジャースとロッキーズが対戦した試合は、10回表も無得点のまま終わり、10回裏の1死満塁から、トロイ・トゥロウィツキがサヨナラ・ヒットを打った。

 クアーズ・フィールドは、1995年4月26日にオープンした。最初の2試合とも、両チーム合わせて15点以上(どちらもロッキーズがサヨナラ勝ち)。合計10点未満は、14試合目のことだった。3対5でロッキーズが敗れた。

 9イニングを終えて0対0は、2158試合中2試合。その割合は0.09%だ。

 ちなみに、クアーズ・フィールドでノーヒッターを達成したのは、1996年9月17日の野茂英雄しかいない。継投によるノーヒッターを含めても、他には皆無だ。昨年6月29日には、ハーマン・マーケズ(ロッキーズ)があと3アウトに迫ったが、9回表の先頭打者にヒットを打たれた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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