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シャーザーだけでなく、デグロームと開幕投手のメギルも離脱中。メッツのローテーションは崩壊するのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・シャーザー(右)May 18, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月18日、マックス・シャーザー(ニューヨーク・メッツ)は、6回表の2死一、二塁からアルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)に2球を投げたところで、ダグアウトのほうを向いて、右手を首の前で左右に何度か動かした。投げられない、というジェスチャーなのだろう。マウンドに駆けつけたトレーナーとともに、シャーザーは降板した(写真)。検査の結果は、右の内腹斜筋の故障。6~8週間の離脱となる見込みだ。

 メッツでは、ジェイコブ・デグロームが右肩を痛め、開幕から故障者リストに入っている。復帰は、早くても6月下旬以降だろう。今月半ばには、タイラー・メギルも故障者リスト入りした。こちらは、右上腕二頭筋の張り。復帰は6月上旬になりそうだ。

 3月に「公式戦ではあり得ない!? デグロームとシャーザー、2人合わせてサイ・ヤング賞5度の豪華リレー」で書いたとおり、デグロームとシャーザーは、両エースとして開幕を迎える予定だった。また、メギルは、今シーズン、開幕投手を務めた。

 ローテーションのトップ3がいなくなれば、危機的状況に陥ってもおかしくない。ただ、今シーズンのメッツは違う。

 デグロームだけでなく、シャーザーも離脱したのは痛手ながら、メギルは、彼らに次ぐ3番手ではなかった。球団が思い描いていたローテーションでは、5番手に入れるかどうか、といった存在だった。開幕戦に登板したのは、直前に予定が変更になったことによる、巡り合わせだと思われる。その数日前に右の太腿裏を痛めたシャーザーは、大事をとって開幕2試合目に登板した。

 ローテーションには、クリス・バシットカルロス・カラスコタイワン・ウォーカーが残っている。この3人は、他のチームであれば、エースとまではいかずとも、ローテーションの2番手として投げてもおかしくない投手だ。そして、今シーズンは、ここまでいずれも悪くない結果を残している。バシットは8登板で防御率2.77、カラスコは7登板で3.73。ウォーカーは、故障者リスト入りを挟み、5登板で防御率3.52を記録している。ちなみに、シャーザーは8登板で防御率2.54、メギルは7登板で防御率4.41だ。

 ここからは、3人とともに、トレバー・ウィリアムズデビッド・ピーターソンがローテーションを形成するのではないだろうか。ロング・リリーバーのウィリアムズは、先発投手としても2試合に投げている。ここ数年の防御率はいずれも4.00以上だが、ピッツバーグ・パイレーツ時代の2018年には、170.2イニングで防御率3.11を記録した。ピーターソンは、メジャーリーグとAAAを行き来している。メジャーリーグでは、4登板で計19.0イニングを投げ、防御率1.89だ。

 1~3番手が、バシット、カラスコ、ウォーカー、4~5番手が、ウィリアムズとピーターソン。万全ではなくとも、ローテーションとして機能しそうだ。

 5月19日を終え、メッツは26勝14敗(勝率.650)を記録し、地区2位のフィラデルフィア・フィリーズに7ゲーム差をつけている。ナ・リーグ東地区では、メッツ以外の4チームとも、借金を抱えている。

 デグロームとシャーザーの復帰が揃って遅れることにならない限り、そう心配する事態ではなく、先発投手の補強に動くのも、まだ早い気がする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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