Yahoo!ニュース

「継投ノーヒッター」で投げたイニングが最も長かった投手と最も短かった投手。8.2と0.1ではなく…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルーカス・リットキー Apr 28, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月29日、ニューヨーク・メッツの5投手は、フィラデルフィア・フィリーズを相手にノーヒッターを達成した(「メッツの「ノーヒッター」は球団2度目。創設以来1度しか達成していない球団は…」)。継投によるノーヒッターは、ナ・リーグとア・リーグにおいて、これが17度目だ。それらを達成した投手は計58人、1試合平均3.4人となる。

 この58人中、アーニー・ショア(1917年6月23日)とフランシスコ・コードバ(1997年7月12日)は、継投ノーヒッターで最も長い、9イニングを投げた。

 コードバの場合は、10イニング中9イニングだ。最後の1イニングは、リカルド・リンコンが投げた。一方、ショアは、9イニング中9イニング。この試合は、ベーブ・ルースが先発マウンドに上がり、最初の4球をすべてボールと判定され、球審に罵声を浴びせて退場を宣告された。代わって登板したショアは、二盗を試みた走者がアウトになった後、26人を続けて討ち取った。

 従って、継投ノーヒッターで投げたイニングが最も短かったのは、ルースということになる。次いで短い、0.1イニングは3人。1967年4月30日に最後の1アウトを記録したスチュー・ミラーと、2012年6月8日に3番手と4番手として投げたスティーブン・プライアールーカス・リットキー(現ニューヨーク・ヤンキース)がそうだ。ミラーとともに継投ノーヒッターを達成したスティーブ・バーバーは、8.2イニングを投げており、こちらは、ショアとコードバに次いで長い。

 なお、継投ノーヒッターの58人は、いずれも違う投手だ。バイダ・ブルーマイク・ウィットケント・マーカーケビン・ミルウッドコール・ハメルズの5人は、完投によるノーヒッターと継投によるノーヒッターが1度ずつ。彼らのうち4人は、継投ノーヒッターの試合も先発投手として投げたが、ウィットは違った。

 1984年9月30日は、9イニングを投げきり、完全試合を達成。1990年4月11日は、7イニングを投げたマーク・ラングストンからマウンドを引き継ぎ、2イニングを封じた。先発投手とリリーフ投手のどちらでもノーヒッターは、ウィットしかいない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事