エンジェルスのアップトン「解雇」は正解か。トラウト以外の外野手3人は出場80試合以上のシーズンなし
開幕まで1週間を切ったところで、ロサンゼルス・エンジェルスは、ジャスティン・アップトンをDFAとした。ウェーバー公示期間が終わった後の解雇は、まず間違いないだろう。アップトンが抜け、エンジェルスの外野手は、マイク・トラウト、ブランドン・マーシュ、ジョー・アデル、テイラー・ウォードの4人となる。いずれも、生え抜きの選手だ。
トラウトは、メジャーリーグ2年目の2012年以降、OPS.930未満のシーズンがなく、2014年、2016年、2019年は、MVPを受賞している。昨シーズンは5月半ばに離脱し、そのまま復帰できなかったが、今シーズンの年齢(6月30日時点)は30歳。いつものトラウトに戻る可能性は、非常に高そうだ。ちなみに、今シーズンは、12年4億2650万ドル(2019~30年)の契約4年目だ。
トラウトのポジションは、これまでどおり、外野の中心に位置する(「トラウトはセンターを守るべきなのか。それとも、レフトかライトへ移ったほうがいいのか」)。その両隣は、ライトがアデル、レフトはマーシュを基本とし、左投手と対戦する時は、ウォードがレフトを守ると思われる。
トラウトは、2009年のドラフトで全体25位指名を受けた。トラウトだけでなく、他の外野手も指名順位は高かった。ウォードは2015年の全体26位、マーシュは2016年の全体60位(2巡目)、アデルは2017年の全体10位。今シーズンの年齢は、それぞれ、28歳、24歳、23歳だ。
ただ、彼らは、シーズンを通してメジャーリーグでプレーしたことがない。トラウトより若いことも理由――特に、マーシュとアデルはそう――だが、3人とも、シーズン出場80試合以上も300打席以上も皆無。特筆するほどの好成績も、残してはいない。
今春のエキシビション・ゲームでは、3人とも好調だ。4月2日の時点で、アデルは打率.273(33打数9安打)&3本塁打、マーシュは打率.303(33打数10安打)&2本塁打、ウォードは打率.296(27打数8安打)&2本塁打を記録している。これは、ブレイクの兆しなのかもしれない。とはいえ、そう言いきるには、あまりにも少ないサンプル数だ。
今シーズンの場合、4月7日の開幕から5月1日までは、通常よりもアクティブ・ロースターの人数が多い。ロックアウトによるスプリング・トレーニングの短縮を踏まえ、故障を防ぐために26人→28人となっている。プラス2枠の一方を利用してアップトンを残しておき、アデルとマーシュとウォードのうち、少なくとも2人が順調に滑り出してから、アップトンをDFAとしても遅くはなかった気がする。
エンジェルスはそうしようと考えていたが、アップトンが一日でも早く他球団でチャンスを得ることを望み、エンジェルスがそれに応じた可能性もある。だが、アップトンは、今春のエキシビション・ゲームで、未経験だった一塁も守り、レギュラーでなくてもOKという姿勢を示していた。
昨シーズン、エンジェルスは、5月初旬にアルバート・プーホルス(現セントルイス・カーディナルス)をDFAとした。今回とまったく同じ状況ではないものの、ジャレッド・ウォルシュは4月に打率.329(82打数27安打)と出塁率.398、4本塁打を記録し、5月初旬からプーホルスに代わって一塁を定位置とした。
アップトンは34歳。ドラフト指名は、2005年の全体1位だ。今春のエキシビション・ゲームでは、打率.333(15打数5安打)&3本塁打を記録していた。
なお、アップトンの今後については、こちらで書いた。