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アップトンを迎え入れる球団はあるのか。エンジェルスから獲得する球団はなくても解雇後であれば!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャスティン・アップトン Aug 16, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月2日、ロサンゼルス・エンジェルスは、ジャスティン・アップトンをDFAとした。言い換えると、40人ロースターから外した。

 7日間のウェーバー公示中に、エンジェルスからアップトンを獲得しようとする球団はないだろう。5年1億600万ドルの5年目となる、今シーズンの年俸は2800万ドルだ。獲得を申し出れば、この年俸も、エンジェルスに代わって負担することになる。

 昨年5月に、エンジェルスがアルバート・プーホルス(現セントルイス・カーディナルス)をDFAとした時と、状況は同じだ。プーホルスは10年2億4000万ドルの10年目、年俸は3000万ドルだった。獲得を申し出る球団はなく、プーホルスがエンジェルスから解雇された後、ロサンゼルス・ドジャースが最低保証額の契約を交わした。

 アップトンも、プーホルスのような形で、どこかの球団に迎え入れられてもおかしくない。

 過去3シーズンとも、アップトンのOPSは.725に届かず、2019年と2021年は故障に見舞われている。現在の年齢は34歳だ。けれども、パワーはまだ残っていて、2020~21年は計131試合で26本のホームランを打っている。レギュラーでなくとも、左投手用のDH(と代打)なら務まるのではないだろうか。また、サンプル数はごくわずかながら、今春のエキシビション・ゲームでは、打率.333(15打数5安打)、3本塁打、11打点を記録している。

 ただ、アップトンがフィットする球団は、すぐには思い浮かばない。ネックとなるのは、外野の守備だ。

 例えば、ボストン・レッドソックスのライトを守る予定のジャッキー・ブラッドリーJr.は、それほどパワーのない左打者だ。だが、守備を考えると、ブラッドリーJr.とアップトンよりも、ブラッドリーJr.とすでに在籍しているクリスチャン・アローヨを併用するほうがよさそうに思える。DHには、右打者のJ.D.マルティネスがいる。

 サンフランシスコ・ジャイアンツは、左打者が多い上、右打者のエバン・ロンゴリアが右手の人差し指を痛め、開幕から6週間は出遅れる。しかし、こちらも、DHのダリン・ラフは右打者だ。

 セントルイス・カーディナルスに復帰したプーホルスは、「11年ぶりに古巣へ戻ったプーホルスに、出場機会はどれくらいあるのか。700本塁打まであと21本」で書いたように、DHとして左打者のコリー・ディカーソンと併用されそうだ。その役割は、もし、プーホルスがいなければ、アップトンに合いそうに見える。もっとも、カーディナルスにしても、それがプーホルス以外の右打者、例えば、アップトンであれば、その選手と契約を交わすことはなく、ホアン・イエペズのような若手とディッカーソンを併用していた気がする。

 故障者の出た球団が、そこでアップトンを迎え入れる――。これが、現時点では最もありそうなシナリオに思える。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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