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「優勝したら背中に似顔絵のタトゥー」は実現するのか。背中には、すでに顔が一つ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ニック・カステヤノス(左)とブライス・ハーパー Mar 31, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 スポーツ・ラジオ94WIPの「ジョン・マークス&アイク・リース」に、ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)が出演した際、番組ホストのマークスは言った。「君たちが今年のワールドシリーズで優勝したら、背中にブライス・ハーパーの顔のタトゥーを入れるよ。嫌じゃなければいいんだけど、ブライス」

 それに対し、ハーパーはこう答えた。「それがどこだろうと、ニック・フォールズの隣なら、賛成さ」

 マークスの「公約」は、これが初めてではない。今から5年前、フィラデルフィア・イーグルスのQBだったニック・フォールズに向かって、マークスは同じことを言った。イーグルスはスーパーボウルを制し、フォールズはスーパーボウルMVPに選ばれ、マークスは背中にフォールズの顔のタトゥーを入れた。

 ハーパーは、こう続けた。「大賛成。彼はフィラデルフィアの真のレジェンドだ。何であろうと、彼と並ぶのは、うまくやってそれを成し遂げたということ。背中の彼の隣に、タトゥーが入ることを望んでいる」

 ハーパーがフィリーズに加わった2019年は、ハーパーが抜けたワシントン・ナショナルズがワールドシリーズで優勝した。2020年の優勝はロサンゼルス・ドジャース、2021年はアトランタ・ブレーブスだ。ナショナルズとブレーブスは、フィリーズと同じく、ナ・リーグ東地区に属している。

 一方、フィリーズは、2012年以降、ポストシーズンから遠ざかっている。ワールドシリーズ優勝は、1980年と2008年の2度。ワールドシリーズ進出は、2009年が最後だ。ちなみに、この年のワールドシリーズでフィリーズを破ったニューヨーク・ヤンキースは、現在のフィリーズの監督、ジョー・ジラデルィが指揮を執っていた。

 先月、「打ちまくればそれでいい!? この球団は守備に難のある外野手2人と契約。DHは1枠しかないが…」で書いたとおり、フィリーズは、FA市場から2人のスラッガーを迎え入れた。昨シーズンの弱点だったブルペンには、コリー・クネイブルブラッド・ハンドジェーリス・ファミリアらを加えている。

 なお、フィラデルフィア・セブンティシクサーズやフィラデルフィア・フライヤーズの選手にも、マークスがこう言ったことがあるかどうかは、定かではない。ご存じの方がいらっしゃれば、教えてください。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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