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背番号「27」の現役選手は、大物が多い!? マイク・トラウトと鈴木誠也の他にも…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャンカルロ・スタントン(左)とゲリー・サンチェス Aug 24, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズンから、鈴木誠也(シカゴ・カブス)は、背番号「27」のユニフォームを着て、メジャーリーグでプレーする。入団会見で背番号の理由を訊かれた鈴木は、「マイク・トラウト。アイ・ラブ・ユー」と答えた。

 現在のメジャーリーグにいる、背番号「27」のスラッガーは、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)と鈴木だけではない。昨シーズン、46本塁打の大谷翔平(エンジェルス)に2本差をつけ、本塁打王を獲得した2人のうち、サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)の背番号は「13」だが、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、同名の父と同じ「27」だ。

 マイアミ・マーリンズ時代の2017年に59本塁打の、ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)もそう。ヤンキースだけでなく、マーリンズでも「27」を背負っていた。昨シーズンの35本塁打は、キャリア5度目の35本以上だ。

 ゲレーロJr.とスタントンの他にも、昨シーズン、30本塁打以上の「27」は3人いる。タイラー・オニール(セントルイス・カーディナルス)が34本、オースティン・ライリー(アトランタ・ブレーブス)が33本、ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)は31本だ。オニールとライリーは、昨シーズンがブレイク・イヤーの若手だが、アルトゥーベは2014~17年に4年続けて200安打以上を記録し、首位打者を3度、盗塁王を2度獲得している。近年は盗塁を試みることが減ったが、パワーを増し、2019年も31本のホームランを打った。

 トラウトとスタントンの2人と同じく、アルトゥーベもMVPを受賞している。昨シーズンのゲレーロJr.も、大谷がいなければ、MVPに選ばれていただろう。投票した記者の全員が大谷を1位に挙げ、30人中29人はゲレーロJr.を2位とした。ちなみに、残る1人のトップ3は、上から順に、大谷、ペレス、ゲレーロJr.だった。

 現時点ではFAのトレバー・ストーリーも、これまでは、コロラド・ロッキーズで「27」を背負っていた。昨シーズンのホームランは24本ながら、2018~19年は2年続けて35本以上を打っている。

 また、シンシナティ・レッズからシアトル・マリナーズへ移ったジェシー・ウィンカーは、今シーズンから背番号を「27」とする。一方、ウィンカーと入れ替わりにレッズへ移ったジェイク・フレイリーも、新天地で「27」を背負う。移籍前の背番号は、ウィンカーが「33」、フレイリーは「28」だった。このトレードについては、「マリナーズが獲得した三塁手と外野手は、どちらもスラッガーだが「懸念材料」も」で書いた。

 他には、ルーカス・ジオリト(シカゴ・ホワイトソックス)、アーロン・ノラ(フィラデルフィア・フィリーズ)、トレバー・バウアー(ロサンゼルス・ドジャース)の先発投手3人に、遊撃手のウィリー・アダメス(ミルウォーキー・ブルワーズ)とアダルベルト・モンデシー(ロイヤルズ)も、背番号「27」だ。

 一方、「背番号を変更した選手たち。2021-2022セ・リーグ編。中村悠平と松原聖弥は2年連続の変更」で書いたとおり、日本プロ野球には背番号「27」の捕手が多いが、現在のメジャーリーグには、ライアン・ジェファーズ(ミネソタ・ツインズ)しか見当たらない。

 なお、ボストン・レッドソックス、オークランド・アスレティックス、サンフランシスコ・ジャイアンツは、「27」を永久欠番としている。それぞれ、カールトン・フィスクキャットフィッシュ・ハンターホアン・マリシャルの背番号だ。これが「敗因」ではないと思うが、レッドソックスとジャイアンツは、鈴木を手に入れようとしていたか、少なくともそう報じられていた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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