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三冠王はないが、首位打者、本塁打王、打点王をすべて獲得した選手。MLB編。ルースやボンズは首位打者も

宇根夏樹ベースボール・ライター
ベーブ・ルース(写真:ロイター/アフロ)

 ナ・リーグあるいはア・リーグにおいて、同じシーズンに、首位打者、本塁打王、打点王をいずれも獲得し、三冠王となった選手は、14人を数える。延べ人数は16人。ロジャース・ホーンズビーテッド・ウィリアムズが、2度ずつだ。

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 一方、三冠王にはなっていないものの、3タイトルを手にした選手の人数も、ほぼ変わらない。こちらは13人だ。ダン・ブローサーズは、1891年にアメリカン・アソシエーションの首位打者(.350)も獲得している。また、1902年のア・リーグは、現行の規定打席を当てはめると、打率.376のエド・デラハンティが首位打者となる。当時の対象は、チームの試合の60%以上に出場した選手。こちらをクリアしたナップ・ラジョイが、打率.378を記録した。

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 13人のうち、ブローサーズ、ジョー・ディマジオハンク・アーロンは、3タイトルをそれぞれ2度以上獲得した。1902年を含めると、デラハンティもそうなる。三冠王の14人中、各タイトル2度以上は、ホーンズビーとテッド、ジミー・フォックスミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)の4人だ。フランク・ロビンソンは、3タイトルとも1度ずつ。三冠王の1966年以外は、タイトルを獲得していない。トリス・スピーカーマニー・ラミレスも、ロビンソンと同じく、各タイトルが1度ずつだが、こちらの2人は二冠王にもなっていない。

 また、三冠王になっていない13人中、ベーブ・ルースとアーロンは「三冠王に近い二冠王」があった。ルースは3度だ。1923年(.393/41本/130打点)と1926年(.372/47本/153打点)の打率は、首位打者との差が1分未満。1924年(.378/46本/124打点)の打点は、打点王と5しか違わなかった。ルースの三冠王を阻んだのは、1923年が打率.403のハリー・ハイルマン、1926年が打率.378のヘイニー・マノーシュ、1924年は129打点のグース・ゴスリンだ。アーロンは、1963年(.319/44本/130打点)の打率が、首位打者のトミー・デービス(.326)と僅差だった。

 なお、ブローサーズからアーロンまでの8人は、いずれも殿堂入りしている。アンドレス・ガララーガは、最初の記者投票で得票率5%に届かず、候補から外れた。アルバート・プーホルスは、まだ引退していない。あとの3人は、今回の記者投票で候補になっている。バリー・ボンズは最後の10度目、マニーは6度目、アレックス・ロドリゲスは1度目だ。すでに投票は終わっていて、結果は1月25日に発表される。

 NPB編は、こちら。

「三冠王はないが、首位打者、本塁打王、打点王をすべて獲得した選手たち。なかには「3種類の二冠王」も」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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