フランシスコ・リリアーノが、引退を発表した。ファンサイデッドのロバート・マリーが、リリアーノの代理人から話を聞き、発表した記事にリリアーノの声明を掲載した。

 2005~06年と2008~19年の計14シーズンに、リリアーノは、ミネソタ・ツインズなど6チームで投げ、112勝114敗、防御率4.15を記録した。鮮烈な印象を残したのは、メジャーリーグ2年目だ。リリーフとして開幕を迎えたリリアーノは、5月半ばにローテーションへ加わると、そこからの15登板で96.2イニングを投げて110三振を奪い、11勝3敗、防御率1.96を記録した。球種は、快速球とスライダーとチェンジアップ。この年のツインズでは、ヨハン・サンタナが2年ぶり2度目のサイ・ヤング賞を受賞したが、このスパンの投球に限れば、同じ左腕のリリアーノが勝っていたような気がする。

 リリアーノは、そのシーズンの終盤に肘を痛め、11月にトミー・ジョン手術を受け、2007年は全休した。なかなか完全復活とはいかず、2009年は防御率5.80に終わったが、2010年は初めて規定投球回に到達し、防御率は3.62。カムバック賞を受賞した。また、2011~12年は2シーズン続けて防御率5点台ながら、2013年はピッツバーグ・パイレーツで防御率3.02を記録し、再びカムバック賞に選ばれた。2014~15年も、3点台前半の防御率を続けた。

 MLB選出のカムバック賞(2005年~)を2度以上受賞したのは、リリアーノの他に、こちらも今オフに引退を表明したバスター・ポージーしかいない(「バスター・ポージーは殿堂入りするのか。ジャイアンツの名捕手が34歳で引退」)。ポージーは、受賞の2012年と2021年のみならず、キャリアを通してサンフランシスコ・ジャイアンツでプレーしたので、両リーグで受賞は、リリアーノだけということになる。

 2度目のカムバック賞を手にした2013年は、20年続いていたパイレーツの負け越しを止めるのに貢献し、ワイルドカード・ゲームとディビジョン・シリーズでも好投した。2017年は夏のトレードで、テオスカー・ヘルナンデス青木宣親の2人と交換にトロント・ブルージェイズからヒューストン・アストロズへ移り、ワールドシリーズ優勝を味わった。ワンポイント・リリーフとして2登板のワールドシリーズは、どちらも、塁上に走者が2人いる場面でコディ・ベリンジャー(ロサンゼルス・ドジャース)に対して投げ、三振と内野ゴロに仕留めた。

 2020年はフィラデルフィア・フィリーズとマイナーリーグ契約を交わしたものの、全休を選択。2021年はマイナーリーグ契約でブルージェイズへ戻り、開幕ロースターに入れずに退団した。その後はどの球団にも在籍しなかったが、もしかすると、今オフに引退を決意するまで、カムバックを検討していたのかもしれない。