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リーグ優勝の「翌年」にCS進出を逃した球団。セは14球団中2球団だが、パは半数がCSに進めず

宇根夏樹ベースボール・ライター
今年、リーグ優勝の翌年となるのは、東京ヤクルトとオリックス(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

 昨年、東京ヤクルト・スワローズは勝率.584(73勝52敗18分)を記録し、クライマックス・シリーズ(CS)がスタートした2007年から数えて、延べ15球団目のセ・リーグ・チャンピオンとなった。

 それまでの14球団中12球団は、リーグ優勝の翌年もCSに進んでいる。2019~20年の読売ジャイアンツの場合、2020年のセ・リーグはCSを開催しなかったが、読売はこの年もリーグを制して日本シリーズへ進んでいるので、進出した球団に含めた。

 リーグ優勝の翌年にCS進出を逃したのは、2015~16年の東京ヤクルト(1位→5位)と2018~19年の広島東洋カープ(1位→4位)の2球団しかない。2016年の東京ヤクルトは、3位の横浜DeNAベイスターズと6ゲーム離れていたものの、2019年の広島東洋は、3位の阪神タイガースと0.5ゲーム差。広島東洋の70勝は、阪神よりも1勝多かった。

筆者作成
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 一方、パ・リーグは、様相が異なる。14球団のうち半数の7球団は、リーグ優勝の翌年にCS進出を逃している。2019~20年の埼玉西武ライオンズの場合、2020年の3位は通常ならCS進出だが、この年のCSは1位と2位による1ステージのみ。同年の読売と違い、ポストシーズンには進めなかったので、こちらは進出できなかった球団として数えた。

 2019~20年の埼玉西武を除いても、6球団がCSにたどり着くことができておらず、セ・リーグと比べると、かなり多い。

筆者作成
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 なお、2006年にリーグ優勝の中日ドラゴンズ北海道日本ハム・ファイターズは、どちらも翌年のCSに進んでいる。2007年の中日は2位、北海道日本ハムはリーグ連覇だ。両球団は、2年続けて日本シリーズで顔を合わせ、2006年は北海道日本ハムが●○○○○、2007年は中日が●○○○○でシリーズを制した。

 今年、リーグ優勝の翌年となるのは、東京ヤクルトとオリックスだ。2006~07年の中日と北海道日本ハムのように、2年続けて日本シリーズで対戦するには、まず、CS進出が必要となる。昨年のリーグ優勝は、それぞれ、球団8度目と13度目。東京ヤクルトは、過去7度のうち6度、翌年のポストシーズン進出――日本シリーズ進出あるいはCS進出――を逃している。それに対し、オリックスは、過去12度のうち9度、ポストシーズン――日本シリーズもしくはプレーオフ――に進んでいる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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