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加藤豪将はブルージェイズでメジャーデビューできるのか。昨年はAAAでOPS.862

宇根夏樹ベースボール・ライター
加藤豪将 Mar 1, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 加藤豪将は、トロント・ブルージェイズとマイナーリーグ契約を交わした。これが、4球団目の在籍となる。

 2013年のドラフトで、加藤はビクター・カラティ二(現サンディエゴ・パドレス)の次に指名された。順位は、2巡目・全体66位だ。2013~19年はニューヨーク・ヤンキース、2020年はマイアミ・マーリンズ、2021年はパドレスに在籍した。まだ、メジャーデビューはしていない。昨年はAAAで114試合に出場し、打率.306と出塁率.388、OPS.862を記録した。ホームランと盗塁はどちらも一桁の8ながら、27本の二塁打と4本の三塁打を打った。

 加藤は、左打者だ。プロ入り当時のポジションは二塁だったが、現在は内外野を守る。これまでに、バッテリーとセンター以外の6ポジションを経験している。

 ブルージェイズには、ユーティリティの左打者がすでにいる。キャバン・ビジオがそうだ。メジャーリーグでは、遊撃以外の内野と外野3ポジションを経験。マイナーリーグでは、ごくわずかながら遊撃を守ったこともある。ただ、ビジオは二塁のレギュラー筆頭候補だ。2021年に二塁を守っていたマーカス・シミエンは、FAになり、テキサス・レンジャーズと7年1億7500万ドルの契約を交わした。

 一方、こちらも内外野を守るケビン・スミスオット・ロペスは、どちらも右打者だ。将来の正三塁手として期待されるジョーダン・グローシャンズも、右打席に立つ。ちなみに、二塁と同じく三塁も確定はしていないが、開幕時に守るのは、サンティアゴ・エスピナルだと思われる。一塁はブラディミール・ゲレーロJr.、遊撃はボー・ビシェットで決まりだ。

 現時点のメンバーからすると、2022年のラインナップは、ビジオ以外の8人が右打者となる可能性が高そうだ。ダニー・ジャンセンがマスクをかぶり、外野は、左から右へ、ルルデス・グリエルJr.ジョージ・スプリンガーランダール・グリチックの3人が並び、DHには、テオスカー・ヘルナンデスが入ると予想する。

 ロースター入りする控えの内野手を選ぶ場合、それが開幕時なのかシーズン途中になるのかはわからないが、複数の選手が同じような成績を残していても、左打者という点を買われ、加藤が昇格してもおかしくない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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