寅年生まれの選手は、寅年にタイトルを獲得しているのか
寅年にタイトルを獲得した、寅年生まれの選手は、これまでに10人を数える。この場合のタイトルは、投手であれば、防御率、勝利、奪三振、セーブのリーグ1位を指す。野手は、打率、本塁打、打点、盗塁だ。この8タイトルのうち、打率と盗塁は、寅年に生まれた選手が寅年のリーグ・トップに位置したことはない。
もっとも、10人とも、寅年に限って活躍したわけではない。例えば、一軍1年目の1950年にパ・リーグ1位の防御率2.06と26勝を記録した荒巻淳は、タイトルこそ他にはないものの、1950~58年の9シーズンに、200イニング以上を投げて防御率2.40未満が6度。1950年に続き、1954年と1956年も20勝以上を挙げた。1962年に30勝の権藤博は、2年連続の最多勝だ。しかも、前年の白星は1962年より5勝多かった。
1986年に32セーブの石本貴昭は、この年以外に二桁のセーブを記録していない。2010年に33セーブのブライアン・シコースキーも、20セーブ以上はこの年だけだ。けれども、石本は1985~87年に、3年続けてリーグで最も多くの試合に投げた。それぞれ、70登板、64登板、50登板だ。シコースキーの50登板以上は、2004~05年と2008~10年の5度。2008~09年の防御率は、どちらも2.25未満だった。2009年は、セーブとホールドを15ずつ記録した。
他の6人は、寅年以外のタイトルが、少なくとも2つある。米田哲也は1966年の25勝と1973年の防御率2.47、野口茂樹は2001年の防御率2.46と奪三振187がリーグ1位だ。岩瀬仁紀とダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)、松井秀喜とアレックス・ラミレスについては、説明不要だろう。
なお、寅年生まれではないが、寅年にタイトルを獲得した阪神タイガース(大阪タイガース)の選手は4人いる。1950年は打率.362の藤村富美男、1962年は防御率1.20の村山実と奪三振270の小山正明が各タイトルを手にし、1986年は打率.389と47本塁打と109打点のランディ・バースが三冠王となった。もちろん、彼らも、タイトルは寅年だけではない。1986年のバースは、前年に続く三冠王だ。
寅年のタイガースについては、こちらで書いた。