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100イニング以上のランキング。セ・リーグもパ・リーグも、防御率トップ3は規定投球回以上と違う!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ニック・マルティネス July 31, 2021(写真:ロイター/アフロ)

 今シーズン、セ・リーグの防御率トップ3は、2.20の柳裕也(中日ドラゴンズ)、2.48の青柳晃洋(阪神タイガース)、2.95の大野雄大(中日)、パ・リーグは、1.39の山本由伸(オリックス・バファローズ)、2.51の宮城大弥(オリックス)、2.81の上沢直之(北海道日本ハム・ファイターズ)が並んだ。規定投球回以上の投手は、セ・リーグが9人、パ・リーグは14人だった。

 規定投球回の約70%に当たる100イニングに達した投手、どちらのリーグも21人ずつを対象とすると、防御率のトップ3は、少し顔ぶれが変わる。両リーグとも、1位はそのままながら、セ・リーグは2.44の伊藤将司(阪神)、パ・リーグは1.60のニック・マルティネス(福岡ソフトバンク・ホークス/現サンディエゴ・パドレス)が、いずれも2位にランクインする。伊藤は140.1イニング、マルティネスは140.2イニング。2人とも、規定投球回まで、あと3イニング未満だった。

 また、パ・リーグに、100イニング以上~規定投球回未満で防御率3.00未満はマルティネスしかいないが、セ・リーグは、伊藤の他にもいる。こちらも阪神の、秋山拓巳ジョー・ガンケルがそうだ。それぞれ、132.2イニングで2.71と113.0イニングで2.95を記録した。

 規定投球回をクリアした投手を含め、100イニング以上を投げて防御率3.00未満は、以下のとおり。セ・リーグは、過半数を阪神の投手が占める。ちなみに、防御率が3.00ちょうどの投手は、両リーグともいなかった。田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)は155.2イニングで自責点52なので、防御率は3.006…。小数点第3位を四捨五入して、3.01となる。

筆者作成
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 こちらは、100イニング以上の奪三振率8.00以上と与四球2.00未満だ。セ・リーグの場合、規定投球回以上の奪三振率3位は7.41の大野、与四球率3位には2.15の柳が位置する。

筆者作成
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筆者作成
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 なお、来シーズン、5年ぶりにメジャーリーグで投げる予定のマルティネスについては、こちらで書いた。

「前・福岡ソフトバンクのマルティネスは、パドレスのローテーションに入れるのか。契約は4年2000万ドル」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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