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「同じ日にCSで完封」の山本由伸と奥川恭伸は、日本シリーズで投げ合う!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
山本由伸 July 28, 2021(写真:ロイター/アフロ)

 クライマックス・シリーズ(CS)のファイナル・ステージ第1戦は、どちらもリーグ優勝の球団が勝利を収めた。オリックス・バファローズ対千葉ロッテ・マリーンズは1対0、東京ヤクルト・スワローズ対読売ジャイアンツは4対0。それぞれ、山本由伸奥川恭伸が、得点を許さずに9イニングを投げきった。

 CSの完封は、見落としがなければ、これが36試合目と37試合目だ。阪神タイガースと広島東洋カープが0対0で引き分けた、2014年のファースト・ステージ第2戦を含む。直前の35試合目は、今年のセ・リーグのファースト・ステージ第1戦。菅野智之をはじめとする読売の4投手が、阪神を封じた。

 継投ではなく、単独の完封は、山本と奥川の前に延べ12人が記録している。成瀬善久と菅野が2度ずつ。成瀬は2007年の第1ステージ第3戦と2010年のファイナル・ステージ第6戦、菅野は2013年のファイナル・ステージ第2戦と2018年のファースト・ステージ第2戦だ。菅野の2度目は、ノーヒット・ノーランだった。

筆者作成
筆者作成

 また、菅野が1度目の完封を記録したのと同じ、2013年10月17日には、パ・リーグのファイナル・ステージ第1戦で、東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大が千葉ロッテに対して投げ、スコアボードにゼロを9つ並べた。同じ日に単独完封が2人は、彼らに続き、山本と奥川が2組目だ。ちなみに、同じ日に完封2試合は、他にも何度か起きている。単独と継投、あるいは継投と継投だ。

 8年前の菅野と田中は、日本シリーズで投げ合った。今年の山本と奥川も、そうなるかもしれない。アドバンテージの1勝を含め、ファイナル・ステージで2勝0敗としながら日本シリーズへ進めなかったのは、2017年の広島東洋だけだ。この時の広島東洋は、第2戦から横浜DeNAベイスターズに4連敗を喫した。

 2013年の日本シリーズで、菅野と田中は、第2戦と第6戦の先発マウンドに上がった。第2戦は、5.1イニングを投げて1失点の菅野に黒星がつき、完投して1失点の田中が白星を挙げた。第6戦は、7イニングで2失点(自責点1)の菅野が白星を手にし、再び完投ながら4失点の田中は黒星を喫した。その翌日、田中は第7戦の9回表に登板し、ヒットを2本打たれたものの、得点を許すことなく3アウトを奪い、シリーズを締めくくった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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