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5年前に「山羊の呪い」を解いたメンバーのうち、6人が今年のポストシーズンへ。この選手はWS優勝も!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、J.マッドン、J.ソレーア、T.ウッド Apr 17, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今から5年前、シカゴ・カブスは、108年ぶりにワールドチャンピオンとなり、1945年にかけられた「山羊の呪い」を解いた。

 この時のワールドシリーズに出場したカブスの25人中、今シーズンもメジャーリーグでプレーしたのは15人だ。カブスは地区4位ながら、そのうちの6人は、在籍するチームがポストシーズンに進出した。

 アトランタ・ブレーブスのホルヘ・ソレーア、サンフランシスコ・ジャイアンツのクリス・ブライアント、ニューヨーク・ヤンキースのアロルディス・チャップマンアンソニー・リゾー、ボストン・レッドソックスのカイル・シュワーバーに、セントルイス・カーディナルスのジョン・レスターがそうだ。ブライアントとリゾーの2人は、今シーズンもカブスの選手として開幕を迎えたが、夏にそれぞれのチームへ移った。シュワーバーとレスターも、前年まではカブスにいた。

 ヤンキースとカーディナルスは、どちらもワイルドカード・ゲームで敗れた。リゾーのホームランは勝利につながらず、チャップマンは登板することなく、レスターはロースターに入らなかった。カーディナルスがディビジョン・シリーズへ進めば、レスターはそこでロースター入りしたと思われる。ブライアントは、ディビジョン・シリーズの5試合でホームラン1本を含む17打数8安打(打率.471)を記録したが、ジャイアンツは第5戦に勝てなかった。

「山羊の呪い」を解いたメンバーのうち、今年のワールドシリーズで優勝する可能性が残っているのは、ソレーアとシュワーバーの2人だ。もっとも、ソレーアは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズのロースターには入っていない。ディビジョン・シリーズの3試合で11打数1安打(打率.091)と打てなかったからではなく、新型コロナウイルスに感染したのが理由だ。ディビジョン・シリーズ第4戦の前にロースターから外れ、代わりにクリスチャン・パチェが加わった。

 最速の場合、ソレーアは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第6戦か第7戦に戻ってくることができる。あるいは、ブレーブスが4勝0敗か4勝1敗でシリーズを終えれば、復帰はワールドシリーズになる(ソレーアが復帰する前に、ブレーブスがリーグ・チャンピオンシップ・シリーズで敗退することもあり得る)。

 10月16日、ブレーブスは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第1戦に勝利を収めた。レッドソックスも白星を挙げ、こちらはシリーズを1勝1敗とした。1番打者として出場したシュワーバーは、初回に二塁打を打ち、J.D.マルティネスのグランドスラムで先制のホームを踏んだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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